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中野ブロードウェイ「中華大門」が40年の歴史に幕 閉店日に間に合わず悲しむ常連も

在りし日の「中華大門」外観(猪原賽さん撮影)

在りし日の「中華大門」外観(猪原賽さん撮影)

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 中野ブロードウェイ(中野区中野5)地下1階の「中華大門」が4月6日、閉店した。

(関連フォト)閉店後に荷物の整理に来た店主とおかみさん

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 同施設開業10年目の1976(昭和51)年11月に開店した同店。しょうゆベースの「ラーメン」(430円)、「タンメン」(490円)、「ワンタンメン」(520円)などの麺類、「チャーハン」「チキンライス」「中華丼」(以上500円)、「オムライス」(530円)や「カレーライス」(580円)などのご飯類のほか、ラーメンとセットになっている「コロッケセット」「メンチセット」「チャーハンセット」(以上730円)、「から揚げ定食」「生姜焼き定食」「肉ニラ炒め定食」(以上630円)や「ギョーザ定食」(540円)など、ボリュームがあってリーズナブルなメニューが多く、来館者だけでなく、同施設で働く人や同館上層階の住民にも人気があった。

 同施設に店を出す前から5年間中華料理店を営み、同施設で40年間夫婦2人で店を切り盛りしていたが、数年前から店主の肘の調子などを理由にシャッターを下ろすこともしばしば。一時期店主の息子が手伝っている時期もあったが、「味が変わってしまっては困るので任せられなかった」と店主。当時は常連客の間で、「少し休みが長いから心配」「おやじさんに元気に続けてほしい」「息子さんは継がないのか」などの声が聞かれていた。

 4月1日には「4月7日 閉店致します」とだけ書かれた張り紙が壁に貼り出されたことがネットで拡散され、常連客らが多く訪れた。おかみによると「ラーメン」「チャーハン」「タンメン」など、普段よく食べているものを注文していた人が多かったという。最後の1週間の営業について、おかみは「店が混み過ぎてバブルの時を思い出した。久しぶりに手が回らなかった」と振り返った。

 貼り紙の内容を4月7日が最終日であると勘違いした常連客も多く、7日の11時から12時30分の間、シャッターの下りた店の前にポツポツと現れた。最終日だと思い店の前に現れた同施設内で衣料品店を営む濱野重成さんは「この貼り紙を見て最終日には絶対来ようと思っていた。最終日に食べられなくて本当に残念」と話していた。

 SNS上でも「あの中華丼も食べられないのか」「餃子定食美味(おい)しかったのに」「無口で職人気質(かたぎ)のおやじさんが好きだった」「自分の食生活に間違いなくぽっかり穴が開いてしまった」というコメントのほか、「おやじさんが元気ならそれでいいです」(以上、原文ママ)の声もあった。

 店主は「もうすぐ75歳になる。どうにも両肘が痛くて引退するしかないと思った。これからはゆっくりします」と話した。おかみは「7日に来てくれたお客さんには申し訳ないことをしてしまったが、皆さんには本当に感謝しています」と話した。

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