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「やさしい日本語」のラップ映像「やさしい せかい」公開 明大山脇ゼミ全面協力で

「やさしい日本語ラップ」のワンシーン

「やさしい日本語ラップ」のワンシーン

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 電通ダイバーシティラボの「やさしい日本語ツーリズム研究会」は9月30日、明治大学中野キャンパス(中野区中野4)国際日本学部山脇啓造ゼミ全面協力のもとで制作した「やさしい日本語ラップ映像『やさしい せかい』」を公開した。

(関連フォト)「やさしい日本語ラップ」には「やさしい日本語」の字幕も

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 「やさしい日本語ツーリズム研究会」は2016(平成28)年に発足、2018(平成30)年からは同大山脇ゼミとの連携を開始した。山脇教授は「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」策定の有識者会議で座長を務めていて、やさしい日本語の普及に尽力している中心人物の一人。同曲は同研究会が企画し、山脇ゼミの協力のもとで制作・公開した。ロケ地は同大学。出演は、山脇教授や山脇ゼミの学生のほか、同区内に校舎を構えるイーストウエスト日本語学校の生徒や手話で出演した西槇久仁子さんら。

 公開から1日で2500再生を記録。6日目には1万回が再生され、現在は1万3000回以上の再生回数となっている。映像を公開したユーチューブがSNSなどでシェアされ、コメント欄には「非常に興味深い取り組み」「すばらしいこころみ」「社会啓発系の歌ってダサくなりがちなのに(苦笑)ちゃんと曲や映像がかっこよくて面白いところがまず凄い」「外国人の気持ちがわかって涙が出た」「見えない壁が見えた気がした」「やさしい日本語の普及活動に波が起こり始めている今、このビデオは大きな意味がある」「ただただ感動!」「世界がやさしくなってほしい思いにあふれた映像だ」「日本語が不自由な外国人が現実に直面する課題に真正面から向き合った内容。とてもわかりやすく伝わってきた」(いずれも原文ママ)などの書き込みが見られる。

 山脇教授は「コロナ禍によって録音や撮影に制約がかかるなど、困難に見舞われたが、学外の多様な団体とのコラボで完成度の高い作品ができ、感無量。再生回数もどんどん伸びているが、やさしい日本語が社会に受け入れられ、多文化共生のメッセージが中野から世界に広がることを願う」と話す。

 「やさしい日本語」とは、海外にルーツがあるなど日本語のコミュニケーションに壁のある人たちにも分かりやすく伝える表現方法の一つ。阪神・淡路大震災の際に通常の日本語では必要な情報を受け取りにくい人がいたことから、情報保障の観点で考案され、現在では災害時だけでなく、平時や日本語話者にも効果的なコミュニケーションツールとして注目されているという。昨年8月には出入国在留管理庁・文化庁が「在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン」を公開するなど、日本政府もその普及に力を入れている。

 「やさしい せかい」の作詞は同研究会の吉開章さんと山脇啓造ゼミ、作曲はJUNさんが担当。監督は小澤雅人さんで、制作・著作は電通(やさしい日本語ツーリズム研究会)。「やさしい日本語」に賛同する人なら自由に歌詞を付けて楽曲を公開することができる。

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