
現実と仮想世界を融合させたクロスリアリティー(XR)コンテンツの開発を手がける日本XRセンター(中野区本町2)が9月28日、中野ブロードウェイ(中野5)1階で直営XRアトラクション施設の一般客向けサービスを始める。
(関連フォト)(左から)「Meta Quest 3」などを装着した小林大河社長、酒井直人中野区長、小山順一朗渉外顧問
昨年の西武信用金庫主催「ビジコンなかの2024」で、「中野区をVR特区にする」ビジョンの下、観光資源創出・教育改革・行政サービスのVR化を3段階で実現する地域活性化プランが高く評価され、「優秀賞」「SDGs賞」のダブル受賞を果たした同社。小林大河社長は「私たちのチームは、東京ドームシティの常設XRアトラクション『XRミッション』や、大阪・関西万博向けアトラクションの企画・開発を手がけている。『XRミッション』はわずか半年で4万人が来場する大ヒットを記録した。今回は地元の象徴でもある中野ブロードウェイに直営の常設XRアトラクション施設をオープンする運びとなり、大変うれしい」と話す。
同施設の最新MRアトラクション「Zombie Storm(ゾンビストーム)」では、自社開発したXRコンテンツを「Meta Quest 3(メタ クエスト 3)」や振動スーツ、ガンコントローラーなどを使いながら最大6人チームでゾンビと戦うアトラクション。プレーエリアは6メートル×4メートル、体験時間は約15分。ベースUI/UX担当は、元バンダイナムコのVR責任者を務めていた小山順一朗渉外顧問が務めた。小山さんは「マルチプレーができるのは楽しいはず。昔より機材が安く手に入るようになり早めに日本で手がけることができた。ぜひチームで戦えるという醍醐味(だいごみ)を味わってほしい」と話す。
9月5日に開かれたメディア体験会には、酒井直人中野区長や中野区産業振興課の職員らも参加。体験後に酒井区長は「振動が伝わってきたり、チームで手分けして戦ったり、かなりドキドキして楽しかった。中野は始まりの街なので、このような話題性のあるコンテンツが中野で実験的に始まり、そこから世界に飛び出してくれればうれしい。これははやると確信した」と話した。
小林社長は「海外ではVRアトラクション市場が急成長している。アメリカ発のSandboxVRは『イカゲーム』コラボで話題を集め、1年で約45億円を売り上げた。すでに60店舗を展開し、2028年までに340店舗へ拡大予定だという。ロケーションベース型VRは没入感とソーシャル要素の高さから次世代エンタメとして確固たる地位を築きつつあり、日本でも体験型観光やインバウンド需要の拡大とともに市場成長が見込まれる。当社はこの潮流を国内で先導していく」と意気込みを見せる。「XR体験コンテンツは6カ月ごとに1つずつ追加されて、複数の中から追加できる形となる予定」とも。
料金は、平日=2,000円、休日=2,500円。