
写真家の故・新山清さんの写真展「形象(けいしょう)」が9月24日、廃業した写真館をリノベーションしたギャラリー&バー「スタジオ35分」(中野区上高田5)で始まった。
新山さんは1911(明治44)年愛媛県生まれの写真家。東京電気専門学校卒業後、理化学研究所に入社。1958(昭和33)年には旭光学に入社し、東京サービスセンター所長に就任。生涯を通し写真家として作品制作に打ち込む。1969(昭和44)年5月、不慮の事故により亡くなった。写真展では、新山さんが戦前から戦後に作家自身で焼いた当時のプリントを展示・販売する。
同ギャラリー店主の酒航太さんは「新山さんの写真は社会的な意味や批判を訴えるものではなく、対象そのものの造形や質感に向き合うもの。意味を背負わせるよりも、むしろ意味を外して、光と形の美しさを見つめようとする純粋なまなざしが、そこにはある。特別な技法や加工はなく、いわゆるストレートな写真だが、現実を撮っているのに、どこか非現実と地続きのように見えてしまう。そこに新山さんの不思議な魅力がある」と話す。
営業時間は16時~22時。日曜・月曜・火曜定休。入場無料(要1ドリンクオーダー)。11月1日まで。