中野区産業振興推進機構(中野区中野4)と情報サービス連携コンソーシアムが3月29日、中野区における「地域経済・観光の活性化、防災計画でのデータ活用」を目的とした動線解析の実証実験を始めた。
この実験は、地域活性化や防災など都市づくり、増加する外国人観光客に対するサービス向上などの目的でオープンデータや多様なデータを活用し、地域課題の可視化や社会基盤の整備に役立てようとする試み。両団体は、中野区をフィールドとして交通流動など地域のモビリティ・マネジメントに必要なデータをIoTソリューションを用いて取得し、得られたデータを同区での防災計画、都市づくりなどに役立てようとする取り組みを行っており、今年1月から準備を行い、「中野四季のまち」と「中野サンモール商店街」(中野5)で実証実験を始めた。
同実験はNHNテコラス(新宿区)とエリアポータル(中野区中野4)の2社が中心となり、プロジェクト全体の企画・進行を担当。NHNテコラスは、Beaconや各種センサーから収集したデータの蓄積・解析基盤の提供とリポートの可視化を、エリアポータルは、有事の際に備える防災計画へのデータ活用を促進するための企画およびプロジェクト推進を、それぞれ担当する。
エリアポータルの晝間信治社長は「IoTビッグデータ解析によるインバウンド観光客誘致のモデルケースになる」と期待する。
実験評価が完了した後の展開としては、同区内の混雑情報や災害情報など、区民の生活に必要な情報をデジタルサイネージ上で配信したり、特定エリアでの交通情報、災害情報などを配信することなどでシステムを活用。今夏には、インバウンド観光客を成田や羽田から誘導するキラーソリューションを発表し、「空港~都心アクセス~地方送客」というモデルに拡張する予定。