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中野で写真展「ルイス・ボルツと柴田敏雄」-風景写真に新たな視点

従来の風景写真とは一線を画すメッセージ性の強いモノトーン作品展

従来の風景写真とは一線を画すメッセージ性の強いモノトーン作品展

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 東京工芸大学写大ギャラリー(中野区本町2)で11月24日より、写真展「ルイス・ボルツと柴田敏雄」が開催される。

従来の風景写真とは一線を画すメッセージ性の強いモノトーン作品展

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 写真家ルイス・ボルツさんの作品「Near Reno」は米ネバダ州Reno近郊の、人間の手によって開発され取り残された荒れ地を被写体にして自然と文明の関係を冷静な目で記録した作品。一方、柴田敏雄さんの作品「日本典型」シリーズは、日本の豊かな自然とそこに食い込む開発の痕跡が形作っている景観を大型カメラで大胆かつ繊細に捉え、精緻なプリントにした作品。同展では2人のこれらのシリーズから抜粋した作品24点を展示する。

 2人の表現は大きく違って見えるが、景観を題材にしたスタンスや視点は、一方は現実的な生活空間としてあるがままに冷徹に開発の荒涼とした跡を描写した作品であり、他方は空間を美的造形処理により開発された跡を際立たせる手法で緻密に描写した作品で、文明という名の下に変容させられた風土への関心を示した、従来の風景写真からは距離を置いた表現となっている。

 ボルツさんは1970年代から活動を始め、1975年ジョージ・イーストマン・ハウス国際写真博物館で開催された「ニュー・トポグラフィックス」展の出品作家に選ばれる。伝統的な風景写真ではなく新たな動向に焦点を絞り、ドラマチックではないありふれた場所や、人間が生み出した建築や構造物のある風景写真を中心とした同展の代表的作家として頭角を現し、1970年代後半から1980年代にかけて国際的に注目されることとなり、若い世代の写真家たちに影響を与えた。

 柴田さんは1980年代から写真に取り組み、1988(昭和63)年にツァイトフォトサロンで開催した個展「日本点景-On the Spot」は、日本の山間部に姿を見せている砂防ダムなどの造成地とその周りの自然景観を大型カメラで捉えたシリーズ。同シリーズは、日本における新たな風景写真として注目され、翌年の「日本典型-Quintessence of Japan」、1991年の「柴田敏雄・日本典型/解読の試み・展」と続き高い評価を受け、1992年に木村伊兵衛写真賞を受賞。同年、写真集「日本典型」も刊行された。

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