中野ブロードウェイ(中野区中野5)4階のアートギャラリー「Gallery リトルハイ」で来年1月13日、銭湯絵師・丸山清人さんの個展「THE銭湯富士~進化を続ける伝説の背景画~」が始まる。
丸山さんは1935(昭和10)生まれ。丸山さんの父親が銭湯広告物専門の会社に勤務していた関係で幼いろから絵師がそばにいる環境で育ち、美術学校卒業後、父親と同じ会社へ就職しながら現場で絵師としての技術を学び、25歳のときには一人で絵を任されるようになり、現役銭湯背景画絵師として活動する。現在日本には銭湯背景画絵師は数人しかいないとされ、81歳の最高齢銭湯背景画絵師で第一人者。
同展では、丸山さんが過去に描いた銭湯背景画の構図をベースに自宅などの観賞用に描いたペンキ画作品大小約30点を展示販売する。
ギャラリー店主の小高均さんは「熟練の刷毛(はけ)さばきは信じられない速さと正確さで作品を完成させていき、その制作過程もが一瞬のアートと呼ぶにふさわしいほど。匠の技で描かれたその繊細な質感や空気感は見る者全てに平穏を感じさせるまさに『静の世界』。優しく広がる穏やかな湖の奥にたたずむ富士、海のかなたに壮大にそびえ立つ富士、朝陽が雲にあたり反射した光で赤々と染まった富士。そして横浜の夜景をも背景画富士にしてしまった。丸山さんの描く美しい富士を眺めながら、ゆっくりと銭湯の気分を味わってお楽しみいただければ」と話す。
開催時間は12時~19時(最終日は17時まで)。水曜休廊。1月23日まで。