中野ブロードウェイ(中野区中野5)4階のアートギャラリー「Gallery リトルハイ」で2月16日、「飯塚定雄×開田裕治 ウルトラな二人展」が始まる。
日本特撮界に60年以上君臨するレジェンド光線絵師と言われる飯塚定雄さんと、怪獣絵師の開田裕治さんのコラボ展。
飯塚さんは1934(昭和9)年東京生まれで、高校時代から洋画家・東郷青児の研究所で絵画を学んだ。研究所時代に東宝撮影所・美術部のアルバイトとして映画界入り。「ゴジラ」などの特殊美術助手を務めた後、円谷英二監督の勧めで「地球防衛軍」より作画合成部門に専従し、アニメーション線画を駆使した光学作画の第一人者となる。キングギドラの誕生シーンや引力光線、テレビではウルトラマンのスペシウム光線や八つ裂き光輪などで、円谷監督の特撮黄金時代を支え続けた。円谷監督の死後、合成専門の会社であるデン・フィルム・エフェクトを設立し、数多くの映画やドラマ、CMの光学合成を担当し、現在も「ウルトラマンX」「仮面ライダー1号」の光学作画を担当するなど現役のクリエーターとして活躍している。2015年10月、長年にわたって光学合成に従事した功績から「文化庁映画賞・映画功労部門」を受賞した。
開田さんは1953(昭和28)年兵庫県出身で、「怪獣絵師」とも呼ばれるイラストレーター。怪獣やロボットなどのキャラクターイラストを、雑誌、単行本、ポスター、プラモデルパッケージや映像ソフト、音楽ソフトのパッケージなどのために制作。開田さんの描くプラモデルの箱絵は芸術性を高く評価され、「ボックスアート」と呼ばれる絵画のジャンルをつくり上げたといわれている。代表作はガンダムシリーズのプラモデルパッケージやウルトラシリーズなどの特撮作品の映像ソフトパッケージなど。
同展では、開田さんが描いたウルトラマンやウルトラセブンのイラストに飯塚さんか描いたスペシウム光線やアイスラッガーを合成して制作したコラボ作品や、スペシウム光線などの作画合成用原画を当時と同じ技法で再現した原画など、約20点を展示する。
開催時間は12時~19時(最終日は17時まで)。水曜休廊。2月22日まで。18日には2人が来場し、サイン会を行う予定。