中野ブロードウェイ(中野区中野5)4階のアートギャラリー「Gallery リトルハイ」で3月15日、銭湯絵師・丸山清人さんの個展「THE銭湯富士 ~静の世界~」が始まる。
丸山さんは1935(昭和10)生まれ。丸山さんの父親が銭湯広告物専門の会社に勤務していた関係で幼い頃から絵師がそばにいる環境で育ち、美術学校卒業後、父親と同じ会社へ就職して現場で絵師としての技術を学び、25歳の時には一人で絵を任されるようになり、銭湯背景画絵師として活動する。現在日本に現役の銭湯背景画絵師は3人しかいないとされ、83歳の最高齢銭湯背景画絵師で第一人者。
同展では、丸山さんが過去に描いた銭湯背景画の構図をベースに自宅などの観賞用に描いたペンキ画作品大小約40点を展示販売する。
ギャラリー店主の小高均さんは「丸山さんの熟練のはけさばきは信じられない速さと正確さで作品を完成させていき、その制作過程もが一瞬のアートと呼ぶにふさわしいほど。また丸山さんの描く富士の背景画は驚くほどさまざまなバリエーションがある。優しく広がる穏やかな湖の奥にたたずむ富士、海のかなたに壮大にそびえ立つ富士、朝日が雲に当たり反射した光で赤々と染まった富士。そして時には横浜の夜景をも銭湯富士に。匠(たくみ)の技で描かれたその繊細な質感や空気感は見る者全てに静謐(せいひつ)を感じさせる、まさに『静の世界』。丸山さんの描く美しい『THE銭湯富士』を眺めながらゆっくりと銭湯の気分を味わって楽しんでほしい」と話す。「今回、個展のキービジュアルは丸山さんもめったに描かない珍しい貴重な『逆さ富士』」とも。
開催時間は12時~19時(最終日は17時まで)。水曜休廊。入場無料。3月25日まで。