東中野の映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)が4月20日から、毎年恒例「33年目のチェルノブイリ」と題した特別上映イベントを行う。
同イベントは、1986(昭和61)年にチェルノブイリ原子力発電所でレベル7の事故が起きた日である4月26日前後に2008年から毎年開催し、今回が11回目となる。この日に「原発とは何なのか、電力とは何なのか、核とは人類にとって何なのかを考えてみよう」という企画。
今回は、本橋成一監督作品の「ナージャの村」(1997年)、「アレクセイと泉」(2002年)と、本橋監督が2作の撮影地を訪れ昨年取材し発表した「ベラルーシ再訪2017」(2017年)や「1991~92年チェルノブイリ取材ビデオ」(2016年)も上映する。
本橋監督は今年、長野県蓼科の村から借りた林で、福島の苗木から原木林を育てる小さなプロジェクトを始めようとしているという。今年の上映会では、森林総合研究所の震災復興・放射性物質研究拠点長・三浦覚さんと本橋さんによる、福島とチェルノブイリのキノコや森の話を中心にしたトークイベントを開く。「事故前には食べる楽しみ、山で探す楽しみ、採った恵みを分かち合う楽しみといったプラスの喜びだったものが、事故後になると高汚染地域では全てマイナスになってしまった」と語る三浦さんの言葉に導かれながら、原発事故によって失われてしまう故郷、自然の恵みをいただいて生きる暮らし、人間と核、故郷で生きることとは何なのかを一緒に考えることを目的としている。
料金は当日一般=1,500円など。上映タイムテーブルやトークショーの内容、特別料金は同館ホームページで確認できる。