美術家・小林和史さんの個展「ぼくたちの記憶採集 Insect collecting for the Lost memories」が7月12日、中野ブロードウェイ(中野区中野5)4階のアートギャラリー「Gallery リトルハイ」で始まる。
小林さんは、世界的ファッションデザイナーである三宅一生さんのアシスタントデザイナーとしてパリコレクション、空間演出、ライセンスデザインなどの仕事に携わり、独立後はアーティストとしてジャンルを越えた活動を始め、各地で個展、イベントを展開。「自然」や「身体性」をテーマにコスチュームデザイン、空間演出、舞台、映像、CMなどのトータルデザインを手掛ける美術家の一方で、ライフワークとして紙を素材にハサミ一本て原寸大の切り絵の昆虫を制作している。
同展では、額やケースに収められた小林さんの昆虫作品約30点を展示販売する。ギャラリー店主の小高均さんによると、はさみで1ミリを15等分に刻むことができる技術から生み出される切り絵の虫たちは、あまりのリアルさに、小林さんが制作したハエを本物のカマキリが食べようとして吐き出してしまったというエピソードもあるという。
小高さんは「そのペーパーワークと他の素材を組み合わせて創る作品は宝石のように美しく魅惑的で、まるで作品の中に生命と時間とが封じ込められているように感じられる。小林さんのこれら作品は、あのU2のギタリストのジ・エッジ氏やローリングストーンズのドラマーのチャーリー・ワッツ氏のコレクションにも加えられている。誰もが持っている忘れていた昆虫との思い出に浸りながら、美しくそして郷愁を感じる不思議な切紙虫の世界をぜひ楽しんでほしい」と話す。
開催時間は12時~19時(最終日は17時まで)。水曜休廊。入場無料。7月22日まで。