中野に本社を構えるスケッチブックメーカー「maruman(マルマン)」(中野区中央2)が12月27日、英国の伝統的な製紙メーカーの紙「ボッキングフォード」「サマセット」の販売を始めた。
(関連フォト)イギリスの老舗製紙メーカー「セントカスバーツ製紙工場」外観
1920(大正9)年に東京・神田で創業した丸万商店が前身で、2020年に創業100周年を迎える文具製造・販売会社の同社。今回、イギリス製紙メーカー「セントカスバーツ製紙工場」の高級水彩紙「ボッキングフォード」と版画用紙「サマセット」を、日本で初めて輸入販売する。「セントカスバーツ製紙工場」は1700年代に創業し、300年以上も画紙の製造を続けるイギリスの老舗メーカー。世界でも数少ない円網抄紙機で、ファインアートなどに用いられるプロ向けのモールドメイド紙を手掛けている。
「ボッキングフォード」は、純粋な原料のみを用いて円網で抄造している高級水彩紙。保存性が高く、羊毛糸フェルト仕上げの特徴的な紙肌はリフティングに適しているといわれ、耐久性に優れ、世界中でアマチュアからプロまで広く愛用されている商品。紙肌は荒目・細目・極細の3種類。
「サマセット」は、コットンを100%使い、保存性に優れた世界有数の最高級版画用紙。強度や水平性に優れているといわれ、8色で構成され、変退色を評価する対抗堅牢(けんろう)度試験方法「ブルーウールスケール」で、少なくとも6級以上と評価されている。ブルーウールスケールは1級から8級まであり、数値が大きいほど光に対する抵抗性が強く、標準退色するのに必要時間が長くなるという。紙肌はサテン・ベルベット・テクスチャーの3種類で、いずれも手すきのような風合いを実現し、版画、インタリオ、リトグラフ、シルクスクリーンなどあらゆる技法に適しているという。
サイズや価格はマルマンホームページで確認できる。
同社は、日本で初めてスパイラル製本機を導入して1958(昭和33)年に販売を始めた、黄色と黒の表紙が特徴の「図案スケッチブック」がヒット商品。スケッチブックとしての役割以外にも、テレビ局で使うほとんどの「カンペ」にも用いられている。