日本における銅版画の先駆者・駒井哲郎(1920-1976)の個展が7月15日、廃業した写真館をリノベーションしたギャラリー&バー「スタジオ35分」(中野区上高田5)で始まった。
故・駒井哲郎は日本橋魚河岸の製氷業者の子として生まれ、15歳で本格的に銅版画や素描を学び、1938(昭和13)年に東京美術学校(現・東京芸術大学)油画科に入学。さまざまな銅版画の技法を習得し、当時まだ日本ではなじみの薄かった銅版画を独自の表現で発表。1953(昭和28)年に資生堂画廊で初個展を開催し、同時期には瀧口修造が主宰する総合芸術グループ「実験工房」に参加した。近年では各地の美術館を巡回した福原コレクション「駒井哲郎1920-1976」(2011年~2012年)や「駒井哲郎ー煌(きら)めく紙上の宇宙」横浜美術館 (2018年)が開催され、日本における銅版画の先駆者としてますます注目が集まっている。1976(昭和51)年没。
同ギャラリー代表の酒航太さんは「日本を代表する銅版画家の一人、駒井哲郎の作品が新井薬師の小さなギャラリーにやってくる。本展示では14点の作品を展示販売。今年は駒井哲郎の生誕100年に当たり、銅版画に生きた駒井哲郎の世界を広く知ってもらう機会になるとうれしい」と話す。
開催時間は18時~22時。日曜~火曜定休。8月8日まで(新型コロナウイルスの状況によっては変更の可能性あり、詳しくはホームページやSNSで伝える)。