新型コロナウィルス感染者急増のために会期途中で閉廊したMichael Reeder(マイケル・リーダー)展「4th Dimensional Voyeur」が8月17日、中野ブロードウェイ(中野区中野5)3階にある村上隆さんのギャラリー「Hidari Zingaro」で再開した。
グラフィティーなどのストリートカルチャー、アカデミックな美術教育、壁画制作、グラフィックデザインなど多様な経験と影響をバックボーンに独自のポートレート作品を追求しているマイケル・リーダーさん。グラフィカルで幾何学的なパターンの画面に、リアリスティックなタッチの人物像、ドクロといった黙想的なモチーフを組み込み、それらを複雑で計算された画肌(マチエール)を重層的に組み合わせることで、独特で特徴的な作風を構築している。作家によると「今回の個展のタイトルは『四次元の窃視者』の意。これまでに引き続いて隙間にある世界、そして平凡な日々を過ごすごく普通の人々とそれぞれのゴースト、つまりエゴを表すキャラクターに焦点を合わせている」という。
リーダーさんは1982(昭和57)年、アメリカのテキサス州ダラス生まれ。地元のスケートボードやストリートカルチャーに影響を受けながら育つ。年少の頃から伝統的な画材を使ったドローイングやペインティングを手掛けていたが、アンダーグラウンドで隠れるようにしている一方で非常に公衆的なペインティング形式でもあるグラフィティーに引きつけられていき、その後ニューヨークに移り住み、スクール・オブ・ビジュアル・アーツでペインティングのBFA(学士号)を取得。卒業後はダラスの「Eyecon Studios」に所属し、伝統的な大規模壁画を制作する技術を習得。この経験と、初期に受けたグラフィティーの影響が現在手掛けているようなポートレート作品へと発展。現在はカリフォルニア州ロサンゼルスに拠点を移している。
開催時間は12時~19時。9月3日まで。