中野区と千葉県館山市は8月26日、「災害時における相互応援に関する協定」を締結した。
館山市と「なかの里・まち連携」して今年10年目となる同区。地方都市の過疎化による人口減少・後継者不足や地場産業の衰退、都市部での人口過密や環境問題、自然と触れ合う機会の減少といった課題を両者がお互いの強みを生かして補い解決することで、豊かで持続可能な地域社会をつくることを目的とした「なかの里・まち連携」事業。中野区は常陸太田市、喜多方市、甲州市、みなかみ町、館山市の5つの自治体と連携していて、今回はその館山市と「災害時における相互応援に関する協定」を締結した。
「なかの里・まち連携」で中野区役所などで物産展を行う、館山市が2019年の台風15号や台風19号で甚大な被害を受けた際に中野区から義援金を送るなど、さまざまな連携や提携をしている両自治体。今回の協定は「食糧、飲料水および生活必需品並びにその供給に必要な資機材などの提供または貸与」「被災者の救出、救護、防疫、施設などの応急復旧などに必要な資機材などの提供または貸与」「救護、救出、応急復旧活動および災害復興に必要な職員の派遣」「被害者の受け入れおよび一時収容のための施設の提供」「前各号に掲げるもののほかなどに要請のあった事項」が主な内容となった。
同日10時から中野区長応接室と館山市長応接室をオンラインでつなぎ、協定締結式を行った。参加者は、金丸謙一館山市長、石井信重館山市議会議長、川上孝館山市総合政策部長、今井幹雄館山市経済観光部産業みなと課長、酒井直人中野区長、高橋かずちか中野区議会議長、滝瀬裕之中野区総務部危機管理担当課長、堀越恵美子中野区区民部産業観光課長の8人。館山市、中野区側それぞれがあいさつを行い、それそれの場所で各首長が協定書にサインし、記念撮影を行った。
酒井区長は「昨年の台風も、首都圏の直下地震もいつ起こってもおかしくない。そんな中で、日頃のお付き合いの中でもし何かあったらお互い駆け付けるという関係を日頃から結んでいることが、中野区民にとっても館山市民の皆さまにとっても安心・安全につながるかなと思っている。この協定で、さらなる関係性を深められたら」と話した。