中野区と国立研究開発法人建築研究所、日本建築ドローン協会、日本UAS産業振興協議会が1月17日、ドローンによる中野サンプラザ(中野区中野4)外壁調査と中野区役所間の飛行実験を共同で行った。
(関連フォト)中野区役所屋上のマーカーに無事着地したドローン
2021年5月にドローンを活用した共同研究の相互協力に関する覚書を締結した4者。都市部でのドローン実証実験の準備を進め、中野サンプラザの外壁調査と中野サンプラザから中野区役所までの飛行実験を行える運びとなった。実験を通して、有人地帯における補助者なしでの目的外飛行「レベル4」による都市部での安全な飛行を確立し、ドローンの有効活用や技術向上を図りたいとする。
実験の冒頭で、加藤たくま中野区議会議員や建築研究所の宮内博之さん、日本UAS産業振興協議会の岩田拡也さん、日本建築ドローン協会の二村憲太郎さんに先駆け、中野区構造改革担当部長の石井大輔さんが「都市部でドローンを飛ばすには、自治体や地域、道路管理者や交通管理者の理解と協力が必要となる。安全性を確保するという点で今回は、係留装置を使用したり問題発生時のリカバリー対策を検証したりする。今回のように関係機関がつながっての新たな取り組みを通して、都市部におけるドローンの実装を実現していきたい」とあいさつした。
1つ目の実験は、中野サンプラザの外壁調査実験。80人が見守る中、ドローンが外壁に衝突したりどこかへ飛び去ったりしないようにラインを使った2点係留装置でつないだ中野サンプラザの屋上と地上を往復させて、道路に面した外壁コンクリート面のひび割れなどを点検した、
2つ目の実験は、中野サンプラザと中野区役所間の建物間移動実験を行った。ドローンを中野サンプラザの屋上から目視外で離陸させ、係留装置なしの状態で中野区役所の屋上へ着陸させレベル4を実験した。飛行中のドローンがトラブルなどの不調に陥ったとき、比較的人の少ない屋上に着陸させることを想定しているという。
両実験とも、予定通りの結果を得ることができた。区の担当者は「操縦人口の拡大や操縦技術の向上も必要で、課題もまだまだ山積みだが、実験や取り組みをこれからも進めていきたい」とした。