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中野駅ガード下で「NO ONE KNOWS」第3弾 たかまるゆうか展始まる

中野駅ガード下で「NO ONE KNOWS」たかまるゆうか展の様子

中野駅ガード下で「NO ONE KNOWS」たかまるゆうか展の様子

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 アートプロジェクト「NO ONE KNOWS」第3弾としてイラストレーター・たかまるゆうかさんの作品展が9月1日、JR中野駅ガード下ギャラリー「夢通り」(中野区中野4)で始まった。

(関連フォト)作者のたかまるゆうかさん(左)と仕掛け人カミヤママドカさん(右)

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 中野区出身でMEANTIMEΣ(ミーンタイム)のアートディレクター・カミヤママドカさんが4月に始めた「NO ONE KNOWS」プロジェクト。今回はたかまるさんの全長約18メートルに及ぶ大きな連作を展示する。

 カミヤマさんは、「ロンドンの大学へ留学していた時から中野に帰るたびに、この高架下のスペースが開放されていても何もない空間で寂しいと思っていた。自分の展示を何度か行ったり、ここで展示している方々の作品を見たりしながら、『自分にはこの場所と対話するような展示が合っている』と考えた」と話す。大学では日本でなじみが少ないサイト・スペシフィック・アート(特定の場所に存在するアート)や、公共の場を使ったアートのキュレーションと空間デザインなどを学んでいたことから、プロジェクトでは主にアートディレクションとキュレーションに徹しているという。「若手アーティストやクリエーターの表現の場としてだけでなく、偏見を持たずに高架下を通る誰もがアートやカルチャーを身近に感じる空間。この区民に開放されたパブリックスペースを活用することで生まれるジャズのようなセッション。これは中野だからできること」カミヤマさん。

 たかまるさんは1993(平成5)年、東京生まれ。10代の頃から絵を描くことに向き合い、女子美術大学では日本画を専攻。その後、英国のArts University Bournemouthでイラストレーションを学び、日本画と西洋美術をミックスしたような作風が特徴。「中野での記憶、場所の記憶に寄り添いつつ夏の情景を描いた。一見すると普通のピクニックの描写でも、よく見ると月餅やグラブジャムン、フライドチキンにバインミーといった中野らしい多様性を感じる要素もある。高架下を歩きながら、皆さんに探してもらいたい」とたかまるさん。

 カミヤマさんは「日本ではアートを鑑賞することに対するハードルがあるが、この高架下の展示を通じて作品を見るだけでなく、作品と自分の距離を見つけたり、何かを考えたり気付いたり、対話することから鑑賞に自然とつながっていくはず。同時に、アーティストも社会について考えることは大切だと思っている。住んでいる地域と対話することで、気付きや学びはたくさんある」と話す。「このプロジェクトをスタートした時、私の背中を押してくれた『自分が変えられるような存在になれば、世界を少しでも変えられるような人になれるかもしれない』という言葉を大切に、きっと伝わると信じてこの活動を続けていきたい」とも。

 展示期間は9月30日まで

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