中野サンプラザ(中野区中野4)のラストイベント「中野サンプラザプロジェクションマッピング」が3月22日、初日の投影を終えた。
(関連フォト)酒井直人中野区長、酒井たくや中野区議会議長らも駆け付けた
1973(昭和48)年6月1日、「全国勤労青少年会館」として開業した同施設。アイドルコンサートの聖地といわれている2222席のコンサート会場、結婚式場や大規模イベントホールなどとして利用されていたが、近年の中野駅新北口駅前エリア再整備事業により、惜しまれながら昨年7月2日に営業を終えた。
同施設は本年度に取り壊しが始まり、中野サンプラザの「DNAを継承」した新たな「NAKANOサンプラザシティ」に生まれ変わる事業計画が、2028年度の完成をめどに進められている。最大7000人収容の大ホールとホテルから成るNAKANOサンプラザ、オフィス・レジデンス・商業施設から成るシンボルタワー、スカイデッキなどで全体を構成する予定。4月からは会場内の電気も落とされ、工事用のパネルで囲われることから、今回が最後のイベントとなる。
同施設の外壁には、中野の歴史や文化、DNAの継承などを表現、子どもたちが描いたイラストや、中野通りの桜並木をイメージした桜、中野大好きナカノさんも登場する漫画「なかのみ」の一コマや、「楽しい思い出をありがとう!」「また会う日まで」など事前に募集したメッセージなどが流れたほか、爆風スランプのランナーやモーニング娘。などの音楽に合わせて映像が流れた。映像は8分程度で、投影は20分ごとに4度繰り返して投影した。
初日の会場には酒井直人中野区長や酒井たくや中野区議会議長らが参加し、オープニングセレモニーが行われた。1回目の投影後に感想を聞かれた酒井区長は「ランナーやモー娘。が流れてきたときの映像には涙が出そうだった」と話した。
沿道にいて同イベントを見ていた70代の夫婦は「中野は私が若いころ住んでいて、まさに中野で妻に出会って結婚した。30年前に引っ越してしまったが、若いときによく見ていたサンプラザの最後を見に来た。歴史が終わってしまうが、自分たちの記憶にはしっかり焼き付いている。ありがとう」と話していた。中野3丁目側から見ていた住民の若者は「誇らしい中野サンプラザがなくなるのは考えられないし、できるものならのしてほしいが、無理と分かっているので目に焼き付けている。写真も残して、将来できるかもしれない家族に伝えたい」と話した。
投影時間は、23日=18時45分~20時45分、24日=18時45分~20時45分。20分ごとに投影予定。小雨決行、荒天中止。