「中野を描いた画家たちのアトリエ展II」が11月10日、なかのZERO(中野区中野2)西館2階・美術ギャラリーで始まる。主催は「中野たてもの応援団」。
(関連フォト)「中野を描いた画家たちのアトリエ展II」ポスター
中野区の伝統的建築物や近代建築の保存運動に取り組む同団体。歴史的建造物についての勉強会や建物見学会などを定期的に開いているほか、これら通して建物を大切に思う気持ちを共有し、これからの中野のまちづくりに生かしていく方法を探っているという。
今回は、「智恵子抄」「道程」などで知られる詩人で彫刻家の高村光太郎が晩年を過ごし、彫刻の代表作「乙女の像」の塑像を制作した「中西アトリエ」(中野3)に関する展示を行うほか、「水彩画の巨匠」と呼ばれた洋画家・中西利雄、設計は近代日本建築運動を先導した建築家・山口文象、このアトリエに滞在したイサム・ノグチ、高村光太郎を紹介する。
11月10日14時30分からは「連翹(れんぎょう)の花咲く窓辺-高村幸太郎と中西利雄を語る」、同11日18時30分からは「中西アトリエの魅力-水彩画家・中西利雄とアトリエ設計者・山口文象について」と題した関連講演会も開催する。各回の定員は60人で、参加無料。要申し込み必要。
中野たてもの応援団の十川(そがわ)百合子さんは「中野がまだ郊外であったころ、若い画家たちが中野にアトリエを構えていた。芸術活動の場であったアトリエは、今は個人の所有者がやっとの思いで維持されている。近隣区では立派な美術館がまた建て替えられ、別の区ではアトリエ建築が何件も保存され公開されている。中野区には大きな美術館がなくても、これらのアトリエが保存活用されて、街なかギャラリーとして楽しく巡ることができたら楽しいはず。この展示会で、中野にこんな素敵はアトリエが存在しているということを知っていただき、活用の道をみなさんと考えるきっかけになれば」と話す。
開催時間は10時~18時(最終日は16時まで)。入場無料。11月18日まで。