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89歳の現役銭湯背景画絵師・丸山清人さんと孫・千奈さん、中野で初二人展

千奈さんの作品

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 中野ブロードウェイ(中野区中野5)4階のアートギャラリー「Gallery リトルハイ」で4月26日、銭湯絵師・丸山清人さんと孫・千奈さんの二人展「THE銭湯富士」が始まる。

(関連フォト)丸山清人さんの作品

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 丸山さんは1935(昭和10)生まれ。丸山さんの父親が銭湯広告物専門の会社に勤務していた関係で幼い頃から絵師がそばにいる環境で育ち、美術学校卒業後、父親と同じ会社へ就職して現場で絵師としての技術を学んだ。25歳の時には一人で絵を任されるようになり、銭湯背景画絵師として活動。今までに描いた銭湯画は1万点を超える。

 丸山さんの孫に当たる千奈さんは1998(平成10)年、神奈川県横浜市出身。多摩美術大学情報デザイン学科卒業。幼い頃から祖父の銭湯背景画絵師の仕事を見ながら絵に興味を持ち美術の道を志す。大学在学中、祖父の仕事の手伝いや祖父に密着取材をした卒業制作などを通し、銭湯背景画を残したい気持ちが強くなり、自分にできる形で銭湯背景画絵師の職を継ぐことを決意したという。大学卒業後、祖父の下で銭湯背景画を本格的に学ぶ。今回、念願だった祖父との二人展の開催を機に、アーティストとしてのスタートを切るという。

 同展では、二人の直筆のペンキ画作品約40点を展示販売する。

 ギャラリー店主の小高均さんは「銭湯の名物ともいえるペンキ絵『銭湯背景画』は、日本の庶民文化の歴史遺産ともいえる大変貴重な素晴らしいアート。その銭湯背景画の第一人者である丸山清人さんは現在89歳。はけを筆に変え、匠(たくみ)の技で描かれた家に飾れるほどのサイズの銭湯富士を眺めていると、まるで広々とした湯船にゆったりと漬かりながら湯気の向こうに雄大な富士山の絵が見えるよう。そして丸山さんより受け継がれた銭湯富士を新しい表現により新たなアート作品として生み出すアーティスト・千奈さん。千奈さんは祖父のDNAを受け継ぎ、丸山さんから受け継がれたペンキ絵銭湯富士の技術を駆使し、げたや升など和の素材と組み合わせるなど自由な表現で新しい独自のスタイルの銭湯富士アート作品を描いている。2人の絵師が織りなす銭湯富士の世界を、ぜひ楽しんでいただければ」と話す。

 開催時間は12時~17時。水曜休廊。入場無料。5月6日まで。

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