現代美術家のアラキドンさんと五宝(ごほう)恵理さんの二人展「とけて とけて とける」が3月10日、中野駅ガード下ギャラリー「夢通り」(中野区中野4)で始まった。
現代の女の子たちの痛みを描くアーティスト・ハ息子(はむすこ)さんがキュレーションした同展。ハ息子さんによると、都市に残された痕跡と人の内面に蓄積された感情とを重ね合わせながら、「消えたように見えて残り続けるもの」をテーマに作品を紹介しているという。
アラキドンさんは、街の錆(さび)や剥げた塗装、公共施設の無機質な色彩など、日常の中に見られる風化した痕跡に影響を受け、「顔を持つ像」を描き続けている。五宝さんは、自己の内側に積み重なる感情の「地層」と、現代社会が生み出す人工的な環境の「地層」とを重ね合わせ、それを祈りとして可視化する制作を行っている。
同展では、アラキドンさんの陶器作品11点と高知麻紙作品7点、五宝さんのアクリル樹脂塗料やプラスチックなどを使った作品11点を展示している。
ハ息子さんは「土や蝋(ろう)、プラスチック、音、身体など 異なる素材や行為を組み合わせることで、内面と外側の世界が交差する痕跡を立ち上げた。溶けることは単に失われることではなく、境界がほどけ、新たな輪郭が生まれることでもある。この展示を通して、自身の内側に残るものに目を向ける機会となれば幸い」と話す。
3月31日まで。