生きづらさを感じている3人と戦後80年の「語られなかった戦争の傷」の関係を追ったドキュメンタリー映画「父と家族とわたしのこと」の上映が3月14日、東中野駅北側の映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)で始まった。配給は日本電波ニュース社。
登場人物は、大阪市内で喫茶店を営む藤岡美千代さん、神奈川県内でタクシー運転手をする市原和彦さん、シングルマザーの佐藤ゆな(仮名)さん。3人が抱える「生きづらさ」はどこから来たのか、彼らの父や祖父がいずれも戦争に従軍していたという共通点を元に、戦後80年の節目に、受け継がれた痛みと向き合う人々の姿を「静かに見つめた」ドキュメンタリー。
近年、戦争帰還兵の多くが深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えていた事実が、ようやく明らかになりつつあるという。癒やされなかった心の傷は、DVや依存症という形で子や孫へと受け継がれることがあり、肉親間の断絶を引き起こすこともある。その連鎖を、いかにして断ち切ることができるのか。
戦争や国家分断という巨大な力に翻弄(ほんろう)されながらも、自らの足で立とうとする(個人)を記録してきた「ちょっと北朝鮮まで行ってくるけん。」「生きて、生きて、生きろ。」の島田陽磨監督と、戦後日本の現実を記録し続けてきた日本電波ニュース社がタッグを組んだ作品。
上映時間は12時~(21日以降は14時~)。3月17日にはフォトジャーナリスト安田菜津紀さんと島田監督、3月19日にはドキュメンタリー監督の大島新さんと島田監督など3月27日まで毎日、映画上映後にトークショーを予定している。