中野セントラルパークにある中野区産業振興拠点「ICTCO(イクトコ)」(中野区中野4、TEL 03-5942-6007)で8月23日、「地震にそなえる」と題した「第1回 中野サイエンスカフェ」が開催された。
中野区産業振興推進機構と中野区が共催した同イベントは、地震に関する最新の専門知識や技術について同区内事業者・学識経験者・同区役所担当者がわかりやすく解説するセミナー。親子連れも参加できるようヨーヨー釣り・金魚すくい・スーパーボールすくいなどの縁日コーナーやプラバン作りワークショップ、子どもにも地震のことがわかる簡易的な地震体験装置なども用意した。
第1部では「地震、防災、耐震、安全、安心」をテーマに、構造計画研究所(中央4)の技師長・工学博士・構造設計一級建築士の高橋治さんが講師、東京大学名誉教授・工学博士・NPO法人ウェアラブル環境情報ネット推進機構(千代田区)理事長で中野区産業振興推進機構の板生清理事長がコーディネーターを務めた。高橋さんは、災害に弱い地域を地名からひもとく話、神社などがある場所は地盤が固いなど、身近なことを織り交ぜながら、自ら描いた絵などを用い、参加者にわかりやすく地震に関する説明などを行った。
第2部では同区の都市基盤部副参事(防災・都市安全担当)の大木島(おおきしま)実さんが、地震や防災に対する同区の取り組みについて説明。淡路大震災や東日本大震災の実際の映像などを交え、「地震に対する10の備え」「地震その時10のポイント」などを説明しながら、「大事なのは、まず自分が生き残ること。生き残らないと他人が助けられない。生き残ったら、みんなで難局を乗り切ってほしい」と締めくくった。
構造計画研究所が用意した免震構造がわかる装置や、バーチャルでビルを揺らして耐震・免震・制震などがビジュアルでわかる仕組みを体験できるコーナーでは、振れるリモコンでビルを揺らすことができ、子どもたちの人気を集めた。縁日コーナーには絶えず子どもたちがあふれ、プラバンコーナーでは人気アニメキャラクターを熱心に描いている子どもたちで満席だった。
セミナーの最後に板生理事長は「皆さんの日頃の疑問などを題材に、次回は健康やライフサポートなど人間に関連するサイエンスカフェを企画していきたい。楽しみにしてほしい」と話した。当日の参加者は約20人の子どもを含む100人近くとなり、キリンビバレッジからはジュース、中野区からはアルファ米が土産として参加者に渡された。