映画「チョコレートドーナツ」の監督・脚本・製作を手掛けるトラヴィス・ファイン監督が5月13日、次回作視察のために来日し、田中大輔中野区長を表敬訪問した。
(関連フォト)中野区内の哲学堂公園を散策するトラヴィス・ファイン監督
同映画は「シアトル映画祭」「シカゴ国際映画祭」「トライベッカ映画祭」など10以上の映画祭で観客賞や最優秀作品賞」などを受けた2012年公開の米ハリウッド映画。日本国内では全国の映画館130カ所以上で上映され人気を博した。
ファイン監督は、次回作の舞台として中野区を中心に考えている意向を固めており、今回の来日に合わせ中野区役所(中野区中野4)の中野区長への表敬訪問が実現した。
ファイン監督は「知らない国、知らない街、知らない食べ物など、新しい物や環境、人との出会いがあり、自分の考える映画の世界が広がっていく。中野はニューヨークなどと比べると非常に小さな都市だが、そのぶんいろいろなことが凝縮されている。ふとしたささいな出来事など、中野の日常をポストカードのように切り取る感覚で映画を作りたい」と意気込む。
田中区長は「中野という小さな部分をよく見つめてもらうことで、日本文化や日本人が持っていたり思っていたりする意識が分かってくるはず。その意味でも監督の考えに共感する」と話した。
ファイン監督は「渋谷のスクランブル交差点や築地市場などはアメリカでもよく取り上げられているが、中野の小さな路地裏や子どもたちが遊んでいる光景など、何でもない日常でも大きな映画と同じようなドラマがある。人間の共感や成長するさまを映画として具現化していきたい」と話す。
表敬訪問は、通訳を交え30分程度行われ、中野を舞台にした映画に関する思いや考えなどを互いに伝え合い握手を交わした。
映画製作プロデューサーの江川信也さんは「中野区の人たちのおかげで、いろいろな建物、食べ物などに出合い、トラヴィスもとても有意義だったと思う。これから彼は脚本の執筆に入るが、スムーズに行けば来年の春か初夏には日本に来て、次回作の撮影に入るはず。その時は今回と同じように中野区の人たちに協力して欲しい。中野を世界に発信できる、すばらしいハリウッド映画が作れるよう頑張る」と話していた。
5月10日に来日したファイン監督は、JR中野駅北口の居酒屋などが立ち並ぶ商店街、中野ブロードウェイ、哲学堂公園、梅若能楽会館などを視察。同24日に帰国する予定で、帰国前には中野区以外にも、浅草、銀座、月島などを視察する予定という。