中野・四季の森公園(中野区中野4)拡張用地に10月14日、直径4.1メートル、重さ21トンの巨大な土の球体が出現した。
鉄の骨組みに土を塗り固めて野焼きされた同球体は、彫刻家・大平和正さんの作品「風還元―球体01」。「縄文のエナジーを孕(はら)むこのとてつもないスケールの土の球体を目にして人は何を想うのだろうか。そしてどんな風が吹くのだろうか」という思いで制作し、3カ月かけて完成させたという。
同作品は「異質な環境」である「森」「海」「街」に展示するのも特徴。今年7月26日~9月13日には「森域景」として「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2015」(新潟県十日町市)に、9月20日~10月12日には「海域景」として「大地は器2015」(京都府京丹後市久美浜町)に、そして今回は「街域景」として「なかのまちめぐり博覧会2015」の一環として展示される。
大平さんは「この作品は『森』『海』『街』と重なり合ったとき、それぞれの顔を持つ。新潟、京都、中野の球体をすべて見た人がどのように感じるのか聞いてみたいし、朝、昼、晩も違った顔もするはず」と話した。
大平さんは1943(昭和18)年東京生まれ。武蔵野美術大学彫刻科を卒業後、造園設計を手掛けながら、環境を意識した石や金属などによる彫刻を制作。1974(昭和49)年、制作の新天地として三重県伊賀に移住し、1991年から2001年まで10年間かけた「風還元野外プロジェクト」など野外作品を中心とした作品を制作している。
展示は10月19日~11月10日。観賞無料。