プレスリリース

生成AI技術を活用した“AI模擬患者”問診シミュレーション「OPQRST」を開発 ~医学教育にイノベーションを。AI技術を活用しDX化へ~

リリース発行企業:株式会社OPQRST

情報提供:

 千葉大学発のスタートアップ企業、株式会社OPQRST(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 柳田育孝、千葉大学医学部附属病院 総合診療科特任助教)は、“医療者の問診力を高め、患者さんが安心できる医療を提供する”というミッションのもと、2024年2月に創業。千葉大学医学部附属病院での臨床・教育・研究の豊富な経験を有する、現役の総合診療医が経営陣を固めるベンチャー企業です。
 この度、“AI模擬患者”問診シミュレーション「OPQRST」を開発いたしました。

<千葉大学医学部附属病院> 代表取締役社長・医学博士 柳田育孝(中央)/取締役・医学博士 横川大樹(左)<医療法人うさぎ会 うちだ内科>  取締役 内田瞬(右)

 問診・医療面接は診察の基本です。情報収集という面だけではなく、患者さんとの信頼関係構築や意思決定の協働という面でも重要な役割があります。そのためのコミューケーション能力が医療者に求められていますが、学生たちが実践経験を積む機会は限られております。
 また、病院での対面診療・治療に加え、訪問診療やオンライン診療など、医療提供の手段も多様化しており、適切な治療やアドバイスを実施する際に、医療者側のコミュニケーション能力のさらなる向上が求められています。
 現在、医療面接の練習や公的試験は、模擬患者ボランティアにより支えられています。公的試験としては2023年よりOSCE (Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験)が全国の大学で行われていますが、そのための模擬患者ボランティアの確保や教育が課題となっています。この課題を解決すべく、“AI模擬患者”問診シミュレーション「OPQRST」を開発いたしました。AI技術を活用し、医学教育の課題解決とDX化で貢献して参ります。

 また、千葉県内のベンチャー企業に対する支援を行う、公益財団法人ひまわりベンチャー育成基金「ひまわりベンチャー育成基金・助成金交付事業(2024年度下期)」に採択いただきました。“すべての医療者に問診力を”というコンセプトのもと、未来の医療を担う人材が自信を持って問診し、患者さんが安心して話すことができる医療者の育成に力を注いで参ります。

公益財団法人ひまわりベンチャー育成基金「ひまわりベンチャー育成基金・助成金交付事業(2024年度下期)」助成金交付式

1)開発の背景
1.2023年8月から公的化された、医学生共用試験「OSCE」における医学部への負担増
 全国75大学(医学部)における負担感は「非常に大きい」55回答(73.3%)「大きい」19回答(25.3%)と、負担を感じている大学が98.6%を占めている。「模擬患者の確保」については85.3%の大学が負担を感じており医学教育におけるDX化が急務とされています。
 また、実際の人間を模擬患者とした面接は、医学部教育6年間に於いてわずか数回の機会しかありません。国内には54,000人の医学生が在籍しており、OSCEだけに留まらず、国家試験や臨床実習に向けた問診技術の習得ニーズは高まるものと予想されております。



出典:文部科学省:令和5年度 医学・歯学教育指導者のためのワークショップ 事前アンケート/<医学>集計結果/調査対象:全国の大学(医学部)82大学のうち 75大学回答結果

2.競合他社にはない唯一無二の強み。千葉大学医学部附属病院 総合診療科の医師・指導医として培った臨床技術
 代表取締役社長の柳田、取締役の横川は現在も医師として、千葉大学医学部附属病院総合診療科の医師・指導医として、診断困難のために困っている患者さんを中心に診療を行っています。適切な病歴聴取を行う力に裏打ちされた臨床技術を保持しております。本サービス「OPQRST」で使用するプロンプトや、病歴聴取の適切さなどのシステムキャリブレーションを高精度で随時行うことができるのは、弊社の強みです。
 また現役医師として、国立大学法人千葉大学医学部へ医学教育を提供し続けているという優位性を持っており、医学生に今何が必要なのかニーズに合わせた調整をシームレスに行える強みを持っております。
2)AI模擬患者との問診シミュレーションサービス「OPQRST」
 AI模擬患者との問診シミュレーションが可能なWebサービスです。
実際の模擬患者と同じように「口数の多さ/少なさ」「協力的/非協力的」といったパラメータで診察室を選び、自己練習することが可能です。フィードバック機能も搭載しています。
 一方、実際の模擬患者では難しい多様な診断名に対応しております。サービス開始初期段階では、高頻度な疾患であり、問診力で診断に近づくことができる“47種類の症例”を提供し、随時拡大して参ります。医学生は情報収集能力の向上のみならず、人間と同じように文脈や感情を意識したコミュニケーションスキルの向上や、試験対策に役立つサービスとなっております。

■リリーススケジュール:2025年4月上旬(予定)
■今後の開発スケジュール
第2フェーズ:音声入出力、学習経過管理システム追加
第3フェーズ:3DのAI模擬患者
第4フェーズ:VRでのサービス提供、法人向け




▲AI模擬患者とのシミュレーション管理画面 診察室1、2、3ではそれぞれ協力的、非協力的などの 異なる性格を持つ患者と問診が可能。

▲症例管理画面 現在は47症例を用意、それぞれの症例で3種類の主訴の 模擬患者と問診可能。

3)経営陣のご紹介


代表取締役社長/医学博士 柳田 育孝
千葉大学医学部附属病院 総合診療科 特任助教
理工学部卒業後に医学部医学科へ入学。卒業後は医師として千葉大学医学部附属病院総合診療科に所属。
診断困難症例のセカンドオピニオン外来を中心に、指導医として臨床・ 教育を行う。
また、理工学部でのスキルを活かして診断推論、医学教育×AIの研究を推進。
千葉大学のスタートアップ支援のビジネスコンペを契機に、2024年に同社設立。





取締役/医学博士 横川 大樹
千葉大学医学部附属病院 総合診療科 助教
福井大学医学部医学科を卒業後医師として千葉大学医学部附属病院総合診療科に所属し臨床に従事。2020年に千葉大学大学院医学研究院診断推論学で博士号取得。
単語埋め込みベクトルによる医療用語の分散表現を主テーマに日本学術振興会 科学研究費助成事業に3度採択、自然言語処理によるAI診断の研究を遂行。臨床では診断困難例に対するセカンドオピニオン外来を中心に従事。問診(病歴聴取)による診断技能を有し、学生や初期臨床研修医・養護教諭などへ教育活動を行っている。





取締役 内田瞬
医療法人うさぎ会 うちだ内科 院長
千葉大学で診断困難事例の外来対応や医学生・研修医教育への従事経験を、より普遍的・一般的な患者層にも還元すべく、2023年に内科クリニックを開業。
総合診療医・家庭医として臨床推論やコミュニケーションを実践しながら、プライマリ・ケアにおける課題発見・解決の視点を持ち同社に携わる。



■会社概要:
【社名】株式会社OPQRST(千葉大学発スタートアップ企業)
【本社】東京都渋谷区道玄坂1丁目10番8号 渋谷道玄坂東急ビル2F-C
【代表者】代表取締役社長 柳田育孝
【創業】2024年2月 
【事業内容】医療情報提供や臨床・教育・研究支援を目的とするWEBサービス
【URL】https://opqrst.co.jp/







d157447-1-ae0d6e7ddd365cd19ed1bb9c90cbfa93.pdf本件に関するお問い合わせ先
株式会社OPQRST(事務局:幕張PLAY株式会社内)
担当:石井貴美子
携帯:090-2425-4923  Mail: m-play@makuhari-play.jp

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