東中野の映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)は8月10日から、沖縄の基地問題をテーマにしたドキュメンタリー映画「標的の村」を上映する。
同作は2012年テレメンタリー年間最優秀賞、第18回平和協同ジャーナリスト基金奨励賞、第4回「座・高円寺」ドキュメンタリーフェスティバル大賞、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞などを受賞したドキュメンタリーで、三上智恵監督をはじめとした地元テレビ局「琉球朝日放送」の報道クルーたちが沖縄基地問題を抱える島民たちに密着し撮影、報道したもの。
5年前、死亡事故が多発する新型輸送機オスプレイの着陸帯建設に抗議し座り込んだ東村・高江の住民を国は「通行妨害」で訴えた。2012年6月26日、沖縄県議会がオスプレイ配備計画の撤回を求める抗議決議・意見書を全会一致で可決。9月9日の県民大会には10万の人々が結集した。しかし、その直後、日本政府は電話一本で県に「オスプレイ」配備を通達した。怒りが爆発し、9月29日、強硬配備前夜、台風17号の暴風の中、島の人々はアメリカ軍普天間基地ゲート前に座り込み、22時間にわたってこれを完全封鎖した――
三上監督は、「このニュースはほぼ黙殺されたが、前代未聞の出来事の一部始終を記録していたのは私たちだった。反対運動を続ける住民たちをカメラで追い、報道する側の人間も排除されようとしている中で必死でマイクを向け、カメラを回した。抵抗むなしく沖縄の空に飛んだオスプレイを見上げる島民、それでもなお抵抗を続ける人たちの声を、この映画を通じて、より多くの人たちに届けたいと思い、映画化を決意した」と熱く語る。
「抗議する高江の民を国が訴えたという事実、この問題は高江の問題でもなく、沖縄の問題でもなく、日本全体の問題として捉えて、見ていただきたい。そして少しでもこの問題に関心を持ってもらいたい」と三上監督。「沖縄と中野の深い関係、もうすぐ『チャンプルーフェスタ』も開催されると聞いているが、楽しい沖縄、明るい沖縄だけでなく、苦しんでいる沖縄という事実もお伝えしたい」と加える。
料金は当日一般1,700円、大学生・専門学生1,400円、シニア1,200円、中・高1,000円。上映時間、上映期間は決まり次第、同劇場のホームーページで公開する。