
中野区が7月29日~31日の3日間、同区の有形文化財「旧中野刑務所正門」(中野区新井3)の移築・修復工事見学会を開催する。
2021年6月4日に同区の有形文化財に指定された旧中野刑務所正門、文化財名は旧豊多摩監獄表門(ひょうもん)といい、大正期を代表する建築家・後藤慶二の作品では唯一現存する建築物。中野区教育委員会によると、「明治期の西欧の模倣から脱却し、近代の新たな建築様式を模索し始めた明治期から大正期の建造物であり、わが国のれんが造り建築の技術的・意匠的到達点を示すものとして重要」だという。関東大震災や第2次世界大戦の戦災をくぐり抜け残されていることも、地域の遺産として貴重との判断もあり、同区としては策定した保存活用計画により、現在の場所から曳家(ひきや)によって西側に約110メートル先に移設し保存することが決定しており、7月下旬から曳家を行うため、見学会を開催する。
現在、見学希望者を募集している。見学会は1時間程度で、29日は2回、30日・31日はそれぞれ4回を予定。定員は各回30人で、希望者多数の場合は抽選。
当日は、新井区民活動センター(新井3)に集合し、受付後に曳家の経緯、注意事項などの説明を行い、移築・修復工事現場に移動して見学ルートに沿って曳家の様子を見学。その後、同センターに戻ってアンケートを提出する流れ。
募集締め切りは7月13日。申し込みは同区特設サイトの申し込みフォームで受け付ける。