中野・野方の手打ちそば店「藤二郎」(中野区野方、TEL 03-3223-4233)で3月13日、茨城県常陸太田市の家庭料理「つけけんちんそば」試食会が開かれた。
試食会は茨城県や同県常陸太田市、高荻市などの公務員、同県笠間市、水戸市、土浦市、守谷市を出身地とする会社員らと、中野区の職員、同区野方商店街の関係者らが、常陸太田市と中野区で提携している「里まち連携」で、茨城の関係者らが同区有志で行っている勉強会「NAS」に参加したことを「きっかけ」に、公務とは関係なく進めてきた企画。激しい暴風雨の中、当日は25人が集まった。
「NAS」後もいろいろと交流を深めてきた関係者らは「常陸太田ツアーをやろう」という話になり、同区職員や野方商店街の有志らで常陸太田市旅行を実施。同市の「ソウルフード」である「つけけんちんそば」と出合い、「中野はつけそば発祥の地」という話題から「食のコラボレーションができないか?」という話で盛り上がったという。その後、同商店街で1年前にそば店を開いた「藤二郎」店主の荒井健二さんが名乗りを上げ、同店オリジナルの「つけけんちんじる」を完成させたことから、同日の試食会開催の運びとなった。
イベント開催の中心人物は茨城県東京事務所の助川達也さん、常陸太田市職員の山川洋史さん、野方商店街代表理事の榎本雅則さん、中野区職員の酒井直人さんら。そのうちの一人、山川さんは「常陸太田市から総務省に出向していて、4月には東京から茨城に戻る。中野の人とのつながりは深まったが、さらに何かを生み出して帰りたいと常々思っていた。常陸太田は『そば』の産地という土地柄から、『米』ではなく『そば』を主食とする文化があり、湯がいたそばを食卓の真ん中に置いて、それぞれのけんちん汁にそばをつけて食べる習慣がある。中野の『つけそば』文化と必ず融合できると思っていた」と話す。
荒井さんは「そば粉は最初から茨城県産のものを使っていて、『けんちんそば』もすでにメニューにあるが、今回の話を持ち掛けられ地域活性化に貢献できると思った。藤二郎オリジナルの『つけけんちんそば』としてこれからの季節に向け、提供価格も含めて正式なメニュー化を進めていきたい」と意気込みを見せる。
イベント後、山川さんは「中野の『つけそば』のように中華麺を使った『けんちんつけそば』もおもしろいかも。常陸太田に帰ったら考えてみたい。『そば』は違えど、いずれも『つけそば』の文化なので、そういう面でもさらに交流が深まれば」とも。