中野区内唯一の映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)で12月、ある女性のオウム指名手配犯との逃亡劇を映画化した問題作「愛のゆくえ(仮)」が上映される。
脚本・主演は劇団「アンファンテリブル」を主宰する女優・劇作家・演出家の前川麻子さん
同作品は、一連のオウム真理教事件に関与し、全国指名手配された平田信容疑者の17年間に及んだ逃亡生活、出頭まで共に生活した女性をモチーフにした映画。
1995年に起きたオウム真理教による「地下鉄サリン事件」は世界中を震撼(しんかん)させ日本の安全神話を破壊させた。その後も国内外ではさまざまな事件・事故が続き、昨年末、全国指名手配容疑者で元オウム真理教の幹部・平田信が出頭した。共に逃亡を続けた女性との生活は17年にわたる。平田をかくまうために積み上げられたうそと歪んだ愛の物語を映画化した。
脚本・主演は、劇団「アンファンテリブル」を主宰する女優・劇作家・演出家の前川麻子さん。共演に劇団「tsumazuki no ish」主宰の寺十(じつなし)吾さん。監督は、青森県六ヶ所村核燃料再処理工場の問題を背景に人が生きることの覚悟を描いた「へばの」(2009年、ロッテルダム国際映画祭正式出品作品)の木村文洋さん。
同作品は、第25回「東京国際映画祭」日本映画・ある視点部門に正式出品された。同映画祭の公式インタビューで、監督の木村さんは「住む場所を転々とする度に女は名前を変え、別の人間になりすまし、男は日の高いうちは外に出なかった。しかし2011年3月の地震によって自首を決心した彼ら。それはどういうことなのか。私たちにとってどういうことなのか。それを突き詰めてみたかった」と語っている。
上映時間は、12月1日~7日=21時~、同8日~21日=16時30分~・21時~。