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東中野の名物バー「麺BAR’s味庵」が閉店 16年の歴史に幕

閉店日に集まった常連客とマスター(中央奥)

閉店日に集まった常連客とマスター(中央奥)

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 JR東中野駅南西口近くのバー「麺BAR’s味庵」(中野区東中野1)が9月21日、16年の歴史に幕を下ろした。

(関連フォト)「麺BAR’s味庵」外観

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 ショットバーとして2000年2月にオープンした同店。店主の長田和之さんが手掛ける創作料理目当ての客も多く、特にパスタやラーメンが人気を博した。2008年には店名を「酒肴工房 味庵」から「麺BAR’s(メンバーズ)味庵」に変更。来店客のほとんどが一人客という特徴を持っていた。

 長田さんによると、4年前から大病を患い、週数回の病院通いを続ける傍ら店を開ける日々が続いていたという。

 閉店日の約1週間前に閉店情報が一部の常連客に伝わり、常連客だった大手企業の社長や、俳優の村松利史さん、地方に引っ越したかつての常連客などが別れを惜しみ駆け付けた。閉店当日には店の看板にライトはつけていなかったが、延べ50人以上の常連客がひっきりなしに来店し、同店で起こった小ネタや懐かしい話で盛り上がった。

 常連客たちからは「東中野を楽しくしてくれた店だったのでさみしいが、とても感謝している」「これからどこに集まればいいのか」「東中野に永住するきっかけとなった店なのでこれからどうしていいかわからない」「週末にマスターと話すという楽しみがなくなってしまった」などと惜しむ声が聞かれた。

 長田さんは「ここは男女ともに一人でくる客が多く、ここから友だちの輪が広がっていくのを見ているのが楽しかった。この場所で出会って結婚したカップルもいるし、2人だった夫婦が3人になって、孫のようにかわいがった子どももいる。友だち、家族、ビジネスなど、この場所で生まれたものを、これからもどうか大切にしていってほしい」と笑顔を見せる。

 閉店当日の店舗の灯りは朝方までともっていた。

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