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新井薬師に「しょぼい喫茶店」 うつ病患う学生が開業、皆が「生きる」ための場目指す

段ボールで作られた「しょぼい喫茶店」店外看板

段ボールで作られた「しょぼい喫茶店」店外看板

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 中野・新井薬師「梅照院」近くの新井薬師門前通に3月1日、「しょぼい喫茶店」(中野区上高田2)がオープンした。

(関連フォト)えもい店長(左)とスタッフおりんさん

 就職活動に疲れ、重度のうつ病を患った現役大学生・えもいてんちょうがオープンした同店。席数はカウンター8席、テーブル2席。えもいてんちょうは「就活の時、どの企業にも『要らない』『要らない』と言い続けられ、起き上がることすらできないほどのうつ病になってしまったとき、自分が死なないようにたくさんの友人がそばにいてくれて、今生きていられる。誰かにとっては『しょぼい』自分であっても、生きていてほしいと思ってくれる人が必ずいると感じた。自分が最低限生きていける場所や同じ思いをしている人たちのための居場所がつくれたら」という思いで開業したという。

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 アルバイトなどで喫茶店の開業資金をためていたえもいてんちょう。なかなか開業資金がたまらず今年の1月に自身のツイッターで「生きていくために喫茶店をやりたいので、どなたか開業資金を援助してほしい」とつぶやいたところすぐに支援者が現れ、開業に至った。自分の悩み、自分の考える喫茶店像などをブログで配信していたところ、同じうつ病を患っていた鹿児島県出身の元看護士おりんさんから連絡があり、すぐに意気投合。おりんさんがスタッフに加わった。おりんさんは「生きづらさに押しつぶされそうになっていたとき、えもいてんちょうのブログを見て共感した。自分の居場所はここかもしれないと直感的に思った」という。

 カフェメニューは定番メニューの「チーズケーキ」(400円)のほか、日替わりや週替わりでサンドイッチやホットサンド、サラダ類などを提供。ドリンクメニューは、コーヒー、紅茶、ホットココア、ルイボスティー、ソフトドリンクなど。18時からはビールやハイボール、ウイスキーや日本酒などの酒類も提供する。

 店内にはアクセサリー類などの作品を披露し、販売できる壁ギャラリーを設置。ビルの外にある店の看板は現在段ボールで作られていて、えもいてんちょうの「看板が欲しい」募金箱などもある。

 えもいてんちょうは「自分はこの場所で最低限生きていけたら本望。そして、自分と同じように生きていくのがつらくなってしまった人たちも、この場所に来たら悩みが共有できたり、生きる気力が湧いてくる。そんな場所にしたい。そしてやりたいことができずに才能にふたをしてしまう人たちにもこの場所を開放し、この場所で小さな経済が動くようになれば」、おりんさんは「疲れたな、さみしいな、と思ったらこの場所にふらっと立ち寄ってほしい」と話した。

 営業時間は11時~23時。