100年前に起こった「米騒動」発端の地・富山県魚津の今を生きる人たちを描いたドキュメンタリー映画「百年の蔵」が12月1日から、東中野の映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)で上映されている。
1918(大正7)年に米価の高騰が要因となって起こった米騒動は、魚津を発端として日本各地に広がり、時の内閣を総辞職に追い込んだ大きな事件。北海道への米の輸送船「伊吹丸」が魚津町に寄港した際に、折からの米価高騰に苦しんでいた漁師の主婦ら数十人が米の積み出しをやめるよう要求、交渉した。その結果、米の搬出が中止されたが、やがて地元紙によってこの件が報道されると、富山県内だけでなく日本全国に広がった。
同作では、「あの時、魚津町で何が起こっていたのか」として、米騒動から100年たった今の魚津を生きる人々が、残された資料や言い伝え、子孫を訪ね歩き、その痕跡をたどる。地元の高校生を中心としたメンバーが何を感じ、何を思うか。さまざまな疑問に出合い、新たな発見をしていく姿を追う。多くのテレビドキュメンタリーを手掛けてきた神央(じんあきら)監督による劇場初公開作品。語りは佐藤B作さん。
上映時間は10時~。料金は、一般=1,700円、大学生・専門学校生・シニア=1,200円などで、富山県出身者割引も用意する。12月16日上映後のゲストトークは上田勝彦さん(魚食の伝道師・元水産官僚)、同22日上映後のゲストトークは鎌田慧さん(ジャーナリスト、ルポライター)。12月28日まで。