廃業した街の写真館をリノベーションしたギャラリー「スタジオ35分」(中野区上高田5)で2月27日、ジョナス・メカス展「Frozen Film Frames」が始まる。
「anthology film archives」の資金集めのために制作され始めた写真作品は、自身の映画のコマを「チバクローム」という現像方法で焼き付け、3~4コマのイメージが連なるようにして一つの作品が完成している。同展はその作品群の中から15点を展示・販売する。
ジョナス・メカスさんは1922年生まれの映画監督・詩人。青年期までを故郷リトアニアで過ごす。1944年、ナチス・ドイツの追っ手から逃れるため弟と国外へ向かうもその後、強制労働収容所での生活、難民キャンプでの暮らしを経験する。1949年アメリカに亡命。その後ニューヨークを拠点にし、言葉も分からないままに16ミリカメラ(ボレックス)で映像を撮り始め、後に友人たち、植物、家族、街などを映した個人的な映像の断片をつなぎ合わせた「日記映画」のスタイルを確立した。2019年1月23日逝去。
3月2日には関連イベントとして、「写真家・大森克己さんと観(み)るメカス」を開催予定。大森さんはメカスさんを1995年にニューヨークで、翌年には沖縄でも撮影し、メカスさんから大きな影響を受けているという。大森さんと一緒にメカスさんの映像作品を見ながら、企画者の井戸沼紀美さんを交えてトークショーを行うほか、大森さんが撮影したメカスさんのポートレート写真も展示する(参加費=1,000円、1ドリンクオーダー制、要予約)。
写真展の開催時間は18時~23時。日曜~火曜休廊。3月16日まで。