東中野の映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)で1月2日、今テレビで何が起きているのかを描いたドキュメンタリー映画「さよならテレビ」の上映が始った。
同作品は、「平成 ジレンマ」「死刑弁護人」「約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯」「ヤクザと憲法」など話題性の高い数多くの番組を放送してきた「東海テレビドキュメンタリー劇場」の第12弾で、東海テレビ開局60周年記念番組「さよならテレビ」(77分)に新たなシーンを加えた映画として再編集したもの。プロデューサーは「人生フルーツ」「眠る村」などを手掛けた阿武野勝彦さん、監督は「戦争を、考えつづける。」「ヤクザと憲法』の?方宏史さんが務めた。
「これは、裸のラブレター」。今は昔。テレビは街頭の、お茶の間の、ダントツの人気者だった。豊かな広告収入を背景に、情報や娯楽を提供する民間放送は、資本主義社会で最も成功したビジネスモデルの一つだった。しかし、その勢いはもうない。「テレビは見ない」と公言することがクールだった時代を通り越し、今はテレビを持たない若者も珍しくない。マスメディアの頂点でジャーナリズムの一翼を担ってきたテレビが、「マスゴミ」と揶揄(やゆ)されるようになって久しい。同作では、今、テレビで何が起きているのかを描く。
「ホームレス理事長」「ヤクザと憲法」のクルーが自社の報道部にカメラを入れ、「薄っぺらいメディアリテラシーは、もうたくさん」と、テレビの今を活写する。お笑い芸人の水道橋博士さんは公式サイトで「さすが東海テレビ、自社にも忖度(そんたく)なし!本作は、泥の中を泳ぐテレビマンの終わりなき日常を活写している!」(原文ママ)とコメントしている。
入場料金や上映時間、舞台あいさつイベント情報などは同館ホームページで確認できる。2月中旬以降の上映期間は未定。