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中野駅北口の老舗バー「ブリック」、休業から再開することなく56年の歴史に幕

れんが造りで昭和風情漂う外観の「ブリック中野」(外観)

れんが造りで昭和風情漂う外観の「ブリック中野」(外観)

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 新型コロナウイルスの影響で4月3日から臨時休業中だった中野駅北口の老舗バー「ブリック中野」(中野区中野4)が4月18日、営業再開はせずにそのまま閉店すると公式ツイッターで発表した。

(関連フォト)閉店を告げる張り紙

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 サントリーのウイスキー「トリス」をソーダで割ったハイボール(トリハイ)を提供するバーとして1964(昭和39)年にオープンした同店。れんが造りで昭和風情漂うレトロな外観と、インテリアや照明が大人のバーを思わせるという店内、200円で提供される「トリハイ」、名物「カニクリームコロッケ」や「オムレツ」、リボンタイのバーテンダーなどが人気だった。地元民の間では「若者憧れの場所」「大人からいい大人になるための空間」などと言われることもあった。

 新型コロナの影響で同店入り口には4月3日、「お客様各位 大変申し訳ないことではありますが4月3日~4月12日までの間を臨時休業といたします」と張り紙が貼られた。その後、同店公式ツイッターで「4月12日までの一時的な営業休止の予定でしたが、本社側の判断により5月6日までの長期休業と相成りました」と長期休業をアナウンス。4月18日にはツイッターで「この度、ブリック中野店を閉店する事になりました。当初は5月6日からの営業再開という予定でおりましたが、このまま再開はせずに閉業という形となります。昭和39年創業以来、56年という長年渡り数多くの方々にご愛顧を賜わり誠に有難うございました」(以上、原文ママ)とのツイートとともに、店舗に「閉店のお知らせ」の張り紙が貼られた。

 ツイートを見た常連客のツイッターでは「老舗トリスバー・中野ブリック閉店の喪失感が半端ではない。悩み多き人間を自然と前向きにさせてくれる場でした」「大ショック。僕の中の昭和の灯がまた一つ消えてしまった」「本当に個人的ないろんな節目でとてもお世話になりました。涙。。。チーズトーストつまみにトリハイ、そして常連さんとの語らい、何ものにも変えがたい時間でした」など、悔しさや寂しさ、感謝の意を表すコメントがつぶやかれた。タレント・やついいちろうさんはツイッターで「好きだった店がなくなくなるは悲しいものだ」(以上、原文ママ)と同店の写真付きでコメントしている。

 同店は、新型コロナの影響から臨時休業を予定していたため、店舗情報発信手段として今年4月2日にツイッターを始めたばかりだった。最初のツイートは「ブリック中野、アカウントを作りました。お店からの告知など、お伝えする事がある時にこちらからも発信させて頂きます。フォローはご自由で構いません。よろしくお願い致します。スタッフ一同」。その後は長期休業、そして閉店など数回のツイート。スタッフの1人も「私は約5年居て、こんな形でTwitterを使う事になるとは思いませんでしたが事実です。もうお店を開ける事は叶わず、直接お伝えする事も出来ませんがリツイートを通じて閉店をご理解頂ければと思います。本当に、本当に今までありがとうございました」とし、「まさかこのような形でつぶやく日がくるとは」(以上、原文ママ)と嘆いた。

 同店ツイッターによると4月27日にはスタッフが集合。そのツイートに対して、「これから、ブリックのない街で生きていくのだと、ようやく決心つきました。最後のときに、お店の壁に僕のボトルが入っていること、誇りに思います」「亡き父とも飲んだ思い出のお店でもあります。長年お疲れ様でした。そしてありがとうございました」(以上、原文ママ)など、それぞれの思いがコメントされている。ネット上では、店舗の復活に関する多くのコメントも寄せられている。

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