中野区は5月1日、新型コロナウイルス感染症関連対策に係る約354億円の補正予算が中野区議会臨時会で全会一致で可決し、補正予算の内容を含む「新型コロナウイルス感染症に係る医療・生活・経済支援対策について」を発表した。
中野区は「医療など最前線の現場環境を支える」「生活や子育てを支える」「経済の再生に向け事業者を支える」「その他の取り組み」を区民の命や生活に関わる対策として、最優先に実施する。
「医療など最前線の現場環境を支える」の内容は、検査態勢を拡充するための中野区内にPCR検査センタ-設置、陽性者のうち軽症(無症状含む)者で自宅待機をしている人の生活を支援するための食事セットや日用品を配送、私立保育施設や私立幼稚園などにおける感染症対策物品等の購入等を補助(補正予算)。
「生活や子育てを支える」の内容は、国の特別定額給付金として区民1人につき10万円の支給(4月27日現在、住民基本台帳人口=33万6971人、補正予算)、社会福祉協議会が実施している貸付業務の増加に対応するための窓口機能の拡充、収入減少や失業等に伴う納税・保険料納付相談の増加に対応するための区民税・国民健康保険相談体制の拡充(補正予算)、児童手当(本則給付)受給者に対し一律1万円の支給(約2万6000人を想定、補正予算)、妊婦の新型コロナウイルス感染を防ぐための必要な物品やタクシー移動等に使える育児パッケージ(子ども商品券1万円分)の配布(約3600人を想定、補正予算)、区立小中学校の臨時休業期間中の児童・生徒のインターネットによる学校との連絡や自宅学習ができる環境の整備(約3900世帯を想定、補正予算)、就学援助世帯に対しての区立小中学校の臨時休業期間(4月以降)の昼食費相当額(500円)の支給(約2500人を想定、補正予算)。
「経済の再生に向け事業者を支える」の内容は、緊急応援資金融資(利子補給)をあっせん(令和2年第1回定例会第1号補正予算により対応)、経営状態が悪化する区内中小企業に対する支援のための産業振興センターでの経営・融資相談の窓口の拡充(補正予算)で、そのほかの経済対策は今後の局面を捉え、時機を逸することなく段階的に対応するという。
「その他の取り組み」の内容は、主に高齢者を対象として感染予防対策や家でできる運動のほか相談先など感染予防等の周知(ポスター掲示、チラシの郵送・ポスティング等)、職員の働き方改革やパンデミック等災害時の対策としてテレワーク等に活用するための自宅等からアクセスできる環境の構築(補正予算)、事業等を停滞させることなく円滑に進めることを目的として自席にいても打ち合わせや会議ができるウェブ会議環境の整備。
酒井直人中野区長は「補正予算は臨時会で、全会一致で賛同いただいた。これは第1弾だが、今後も第2弾、第3弾と、区民の皆さんの生活、命を守るために施策を打ち出していきたい」と話す、