アイヌと沖縄の踊りの祭典「チャランケ祭」が11月27日、中野区役所広場で開催される。
(関連フォト)「チャランケ祭2022」メインビジュアル(イラスト=石森なこさん)
同イベントは「祭りは天と地を継ぐ、踊りは人と宇宙を継ぐ」をコンセプトとする歌と踊りの祭典で、人と人とが触れ合い、交流を深めることを目的に開く。アイヌと沖縄人が東京で出会ったことがきっかけとなり、1994(平成6)年に中野駅北口広場で始まり、今年で28回目を迎える。一昨年から会場は中野区役所前。イベント名称の「チャランケ」は、アイヌの言葉で「とことん話し合うこと」を意味する「ちゃらんけ」と、沖縄の言葉で「消えんなよー」という意味の「ちゃーらんけ」が似ていることから、付けられたという。
本来は2日間通して歌と踊りが繰り広げられる同祭だが、コロナ禍で今年は1日で儀式などを行う。沖縄の儀式「旗あげ」で始まり、奉納演武、アイヌの儀式「カムイノミ」、奉納演舞と続き、儀式の最後は沖縄の儀式「旗おろし」を行う。奉納演舞の出演者は「ペウレウタリの会」「アイヌルトムテ」「中野新道エイサー」「かみさぎ舞鼓打人」「上石神井琉球エイサー会」「和光青年会」「森の踊り衆」「じゃんがら遊劇隊」の8団体を予定。
今回から実行委員長を務める高橋貫太郎さんは「昨年、主催であり心の支えだった金城吉春さんが亡くなった。大きな喪失感とともに、祭りを作り上げてきた仲間たちと、これからのことを考え悩んだが、『万国津梁』という言葉に『沖縄とアイヌの自然や大地に全ての命に感謝して生きる』『先祖を敬い生活のそばに神が宿る』『祭りの中で出会い、互いの文化を尊重しながら交流する』ことを込め、その旗の下でその他多くの民族とも文化を通して混ざり合うことが吉春さんのやりたかったことであると刻み、この取り組みを進めていきたい」と話す。
開催時間は10時~17時。入場無料。