映画「チョコレートな人々」の上映が1月2日、映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)で始まった。
映画「人生フルーツ」「さよならテレビ」などで知られる東海テレビドキュメンタリー劇場の第14弾で、2021年「日本民間放送連盟賞テレビ部門」グランプリを受賞している同作品。愛知県豊橋市の街角にある「久遠チョコレート」を舞台に、代表の夏目浩次さんの目指す多様な人が働きやすくしっかり稼ぐことができる職場づくりの19年を追ったドキュメンタリー。ナレーションは宮本信子さん、プロデューサーは阿武野勝彦さん、監督は鈴木祐司さんが務めた。
ドキュメンタリーの始まりは2003(平成15)年、26歳の夏目さんが3人のスタッフと小さなパン店を開いたこと。その後、複数の事業を展開してきたという夏目さんの転機は、トップショコラティエの野口和男さんとの出会いだったという。チョコレートは失敗しても温めれば、作り直すことができる、しかもチョコレートはアイディア次第で付加価値が高まる魔法の食材ということに気付き、心や体に障がいがある人、シングルペアレントや不登校経験者、セクシュアルマイノリティーなど多様な人々を受け入れる夢の扉が見えたという。「久遠チョコレート」のホームページによると、夏目さんは「誰も置き去りにしない、凸凹カラフルな社会を創(つく)ること。全国の障がい者や障がい者事業所にチョコレートの魅力とパワーを伝え、彼らの社会参加と自立、そして所得アップを抜本的に行うプロジェクトを行っている」という。
作品を見たエッセイストの内田也哉子さんからは「こんなすてきな人たちが日本にいることを誇らしく、そして愛おしく思う」と、同じくチョコレートジャーナリストの市川歩美さんからは「愛とチョコで社会に挑む、前人未到のチャレンジ」と、それぞれコメントが寄せられている。
2月中旬までの上映を予定する。1月13日までの上映開始時間は10時、12時10分、16時20分。併設のカフェ「ポレポレ坐」では同ドキュメンタリー上映期間中、「久遠チョコレート」とのコラボメニュー「QUON×ポレポレ坐 ホットチョコレート」(700円)を提供している。