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新設「東京中野物語文学賞」授賞式 大賞作品は原浩一郎さん作「悔いの華」

(前列左から)中野区賞を受賞した北森春土(はると)さん、佳作を受賞した菊一馬絽(まろ)さん、大賞を受賞した原浩一郎さん、佳作を受賞した大塚雅美さん、篠原哲雄監督特別賞を受賞した高城(たき)つかささん、(後列左から)副実行委員長の西田聖志郎さん、中島京子さん、中川翔子さん、篠原哲雄さん、実行委員長の佐々木洋文さん

(前列左から)中野区賞を受賞した北森春土(はると)さん、佳作を受賞した菊一馬絽(まろ)さん、大賞を受賞した原浩一郎さん、佳作を受賞した大塚雅美さん、篠原哲雄監督特別賞を受賞した高城(たき)つかささん、(後列左から)副実行委員長の西田聖志郎さん、中島京子さん、中川翔子さん、篠原哲雄さん、実行委員長の佐々木洋文さん

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 昨年公募を始めた新設「東京中野物語文学賞」の授賞式が3月19日、中野セントラルパーク(中野区中野4)で開催された。主催は中野区観光協会と東京中野物語プロジェクト実行委員会。

(関連フォト)授賞式後のシンポジウムの様子

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 映画、演劇、アニメ関係者が多く居住する中野区の特性を生かすため、映画化・演劇化・アニメ化につながる作品を中心に募集してきた同賞。中野工業産業協会の佐々木洋文実行委員長と俳優でプロデューサーの西田聖志郎副実行委員長が中心となり、最終選考は小説家の中島京子さん、映画監督の篠原哲雄さん、歌手・タレントの中川翔子さん、小説家・作家エージェントの鬼塚忠さんが務めた。

 昨年11月18日には、応募総数217作品の中から1次選考で残った64作品を発表。今年1月14日、2次選考で残った8作品を発表し、授賞式当日に8作品の中から受賞作品を紹介したほか、篠原監督の強い希望で篠原哲雄監督特別賞、8作品以外の中から中野区賞、合計5つの賞の受賞作品も発表した。

 篠原監督自身が発表した篠原哲雄監督特別賞は高城(たき)つかささん作「ささやかな音を聴く」。鬼塚忠さんが発表した1つ目の佳作は菊一馬絽(まろ)さん作「鬼祓(はら)い桃園神社」。中川翔子さんが発表した2つ目の佳作は大塚雅美さん作「にゅうらいふ」。酒井直人中野区長が発表した中野区賞は北森春土(はると)さん作「始発電車は午前五時」。中島京子さんが発表した東京中野物語2022年度大賞は原浩一郎さん作「悔いの華」。受賞者一人一人が受賞コメントを述べる中、大賞を受賞した原さんは「読む人の魂を突き動かすような物語を、これからも書いていけるように精進したい」とコメントを述べた。

 総評した中島さんは、大賞作品について、「刑務官の話だが、最後が非常に緻密に書かれていて、ドラマ性も社会性もあって大変胸に迫る作品だった。刑務所内の描写のリアリティー、主人公の心理描写もリアリティーが圧倒的で、選考会でも最初からずっと高い評価だった」と話した。

 授賞式後のシンポジウムで佐々木実行委員長は「皆さんが期待しているのは、これから出てくる新しい文化、その担い手、若者や定年を迎えた方などが自分の人生をどう表現するか、チャンスはどんどん広がっていく。中野から発信する皆さんのストーリーで、この賞をつないでいっていただきたい」と呼びかける。中川さんは「中野には世界がびっくりするような作品が生まれるトリガーがたくさん眠っている、あらゆる瞬間が面白いといろいろな人に思ってもらえるまちとして進化してほしい。そして中野が描きたいなと思うクリエーターたちがどんどん生まれてきてほしい」と期待を込めた。

 最後に主催者である中野区観光協会・宮島茂明理事長の閉会の言葉で会はお開きとなった。次回は2年後の開催を予定している。

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