ジャズ奏者の外山喜雄・恵子さん夫婦による写真展「The Sound of New Orleans ニューオリンズの日々」が7月6日、中野の「ギャラリー冬青」(中野区中央5、TEL 03-3380-7123)で始まった。
喜雄さんは1944(昭和19)年、東京生まれ。早稲田大学入学後すぐにニューオリンズ・ジャズクラブに入り、同じ大学に通うピアノ・バンジョー奏者の恵子さんと出会い、結婚。1968(昭和43)年、夫婦でブラジル移民船に乗り込み、ニューオリンズへジャズ武者修行の旅に出た。以後5年にわたりジャズの故郷でジャズを学び、ヨーロッパ、アメリカ各地を演奏旅行した。この旅の5年間、「『サッチモとジャズ』を生んだ街の貴重な風習、スウィンギーな黒人社会を記録しなければとの思いから夢中で撮った」(喜雄さん)という写真は、1万点を超える。
会場では、5年間の旅の写真の中から夫婦が「厳選した」写真27点と、写真家の故・佐藤有三さんによるサッチモとサッチモ夫妻のポートレート作品2点を展示する。
夫婦は現在、「外山喜雄とデキシー・セインツ」(1975年結成)として、国内外のライブやジャズフェス、東京ディズニーランドの人気グループとして活動している。このほか、エッセーやジャズ評論の執筆活動でも知られ、スイングジャーナル誌に多くの写真や記事を発表。1994(平成6)年には日本ルイ・アームストロング協会を設立し、ニューオリンズの子どもたちに楽器を贈る活動「銃に代えて楽器を」で2005(平成17)年8月、外務大臣表彰を受けた。同年、ニューオリンズはハリケーン「カトリーナ」で被災。夫婦は現在も現地の支援活動にも取り組んでいる。
喜雄さんは「今回、写真展に並べさせていただいた思い出の写真から、差別はあれど白人も黒人も互いに愛し合っているジャズの故郷、このすてきな街に漂うサウンド『The Sound of New Orleans』を感じ取ってもらえたたら」と話す。
開廊時間は11時~19時(水曜は21時まで)。日曜・月曜・祝日休廊。入場無料。7月29日まで。