昭和を代表する写真家・土門拳の写真展「祈りの風景-土門拳自選作品集より」が4月15日、東京工芸大学(中野区本町2)芸術情報館(5号館)2階「写大ギャラリー」で始まった。
土門拳は1909(明治42)年山形県生まれ。中学時代より画家を志すが、家の事情で断念。1933(昭和8)年に営業写真館である宮内幸太郎写真場の内弟子となるが、報道写真家を目指し、翌年にはドイツから帰国した名取洋之助が設立した日本工房に入社し、対外宣伝誌「NIPPON」で数多くの撮影を手がける。戦後は絶対非演出の「リアリズム写真」をカメラ雑誌などで提唱し、多くの写真家に影響を与えたといわれている。1958(昭和33)年「ヒロシマ」、1960(昭和35)年「筑豊のこどもたち」などが代表作。仏像や寺院、古陶磁などの伝統工芸品や風景など、一貫して日本の「美」を撮り続けた。1979(昭和54)年に脳血栓を起こして昏睡(こんすい)状態となり、目覚めることなく1990(平成2)年に心不全のため死去。
同展では、同ギャラリーに収蔵されている1200点を超える土門拳作品コレクションの中から、「土門拳自選作品集」(世界文化社、1977年)に掲載された作品のうち、風景写真に焦点を当て、仏像や自然のカラー・モノクロ写真作品50点を展示する。
開館時間は10時~19時。入場無料。木曜・日曜・祝日休廊。6月1日まで。