中野区の薬師あいロード商店街を中心に2月4日、スマホゲーム「ingress(イングレス)」を使ったトライアルイベントが開催された。主催はナカマニ実行委員会。
1月26日に中野区主催で行われた「イングレスを活用した観光・地域活性化を考えるセミナー」の様子
Ingressは米Googleが提供する位置情報を利用した無料の陣取りゲームで、世界各国で800万人ものユーザーがいると言われている。実際にある構造物や史跡などの不変的な目印(=ポータル)を訪れ、ポータル同士をつないで勢力を競い合う。参加時に「Enlightened(覚醒派)」(=緑チーム)か「Resistance(解放軍)」(=青チーム)のどちらかのチームを選択し、チームメンバーと連携しながら屋外で地図上の陣取りを競い合うもの。
中野区は1月26日、同区都市政策推進室の滝瀬裕之副参事が主旨を説明し、イングレスイベントの公式カメラマンである白川リュウジさん、同区内でイベントを企画運営する杉本真之さんが講師を務め、100人以上の参加者を集めた「イングレスを活用した観光・地域活性化を考えるセミナー」を開催。中野区が昨年定めた観光資源を「イングレス」を活用して「まち歩き」や「地域活性化」に活用できないか、を考える場としてセミナーを企画したという。
同イベントでは、中野区が開催したセミナー参加者の有志や同区の職員、区議会議員ら約20人が参加し、薬師あいロードにすでに登録されている「ポータル」を使ったイベントを作成。青チームと緑チームにわかれて2時間ほど陣取り合戦を行った。
イベントに参加した同区滝瀬副参事は「前回の中野区主催セミナーで、若者のこのゲームに対する関心の高さがうかがえた。イングレスを通じて若者たちに中野の街を歩き回ってもらい、いろいろな場所に関心を持ってもらいたい」と話す。
杉本さんは「中野は都内でもポータルの数が多く、かなりの激戦区。おもしろいオブジェなどがたくさんあること、同じく激戦区である西新宿に近いなど、イングレス利用者にも注目されている場所と感じている。うまく利用して、観光に役立てられれば」と期待を寄せる。
イベント終了後には薬師あいロード商店街の店に参加メンバーらが集結し、楽しさや難しさ、イングレスと街歩きイベントの可能性などが話し合われ、エキスパート、初心者双方からの感想や考え方などが活発に意見交換されていた。参加者のひとりは「新たな街の発見があったり、食べ歩いたりして、最後にみんなで反省会。これがイングレス醍醐味なのかもしれない」と話していた。