中野セントラルパーク(中野区中野4)の「コングレスクエア」で11月13日、中野に本拠地を構える劇団スタジオライフ(新井5)30周年記念公演の制作発表会が行われた。
(関連フォト)冒頭のあいさつを行う藤原代表と「イケメン」俳優陣
来年創立30周年を迎える同劇団。今回の制作発表会は「The Rise of The Curtain ~Studio Life 30th Anniversary ACT1~」と題し、事前に申し込みのあった女性ファン400人に対して公演ラインナップを紹介したほか、今年6月に亡くなった創設者・河内喜一朗さんに替わり新代表に就任した藤原啓児さんがあいさつを行った。
参加した400人の女性ファンは「新人記者」という設定で、受付で「PRESS」と記載されているネックホルダーを配布。制作発表会の前説として、曽世海司(そぜかいじ)さんの司会で登壇した役者と絡みながら新人記者の心得を「役者のコメントを聞く」「役者の写真を撮る」「役者に質問をする」と分け、実戦形式で記者のマナーを伝えつつ、「新人記者」に扮(ふん)したファン400人に会場内での撮影を許可した。
制作発表会では、「新人記者」前面一列に全劇団員がならび、最初のシャッターチャンスが訪れた。「新人記者」は思い思いの役者をターゲットに着座のまま写真撮影をしていた。30周年記念公演第1弾として紹介されたのは、今年12月18日から新宿シアターサンモールで公演する「GREAT EXPECTATIONS ~大いなる遺産~」。劇団唯一の女性であり演出家の倉田淳さんも登壇し、主人公ピップを演じる松本慎也さんと関戸博一さん、成長したピップを演じる笠原浩夫さんと共に、「新人記者」からの質問などに受け答えをしていた。
「大いなる遺産」以降の30周年記念公演は、来年1月29日から本拠地「ウエストエンドスタジオ」(新井5)で公演する「夏の夜の夢」、5月には文化庁から委託を受けている事業で日本の演劇人を育てる「WHITE」を同スタジオで実施、7月から8月にかけて手塚治虫原作の「アドルフに告ぐ」を新宿・紀伊国屋ホールや大阪・梅田芸術劇場で公演。11月から12月にかけては「PHANTOM 語られざりし物語」(PartI・PartII)を新宿・シアターサンモールで公演することが発表された。
最後に、大きく3つに分けられたブロック前にそれぞれ集合写真撮影用にフォーメーションを組み、「新人記者」向けの撮影タイムが用意され、女性ファン400人が一斉に撮影を行った。自分のブロック前だけでなく、違うブロックの写真もズームしながら撮影していたのが印象的だった。参加した「新人記者」のひとりは、「写真だけでなく、役者さんが話していたこともメモした。いろんな角度から写真を撮れるのもファンにとってはうれしい。いい記事がかけたらファンクラブ通信に送ってみようと思う」と話した。
最後に、萩尾望都(はぎおもと)さん原作の漫画「トーマの心臓」のDVD発売や、萩尾さんによる30周年記念イメージ制作などが重大発表として情報公開された。
藤原代表は、「河内という偉大な代表を失い、本当に大変な時期を過ごした。何とか乗り切ってここまできたが、大事なのはこれから。会場の皆さまが最大の応援団なので、これからも応援してください」と話し、拍手喝采を浴びていた。「河内代表を失ったことは悲しいことだが、前向きに進むのみ」とも。同イベントは、役者のトークと明るい演出で、会場内には終始笑い声や歓声が起こっていた。