一般社団法人日本画像学会(中野区本町2、東京工芸大学内)は10月22日、「複写機遺産」の初認定先4機種を発表した。
同学会の創立60周年を記念して創設した「複写機遺産」。国内メーカーより申請された多数の機種について、複写機技術発展史上の重要性や、国民生活、文化・経済、社会、技術教育に対しての貢献と、その独自性や歴史的特徴を評価した結果で、4機種を認定した。
2018年度の複写機遺産に認定されたのは、複写の代名詞「リコピー」の起源となった卓上複写機として評価されたリコー社製「リコピー101」、国内で製造された初めての乾式電子写真方式の事務用複写機として評価された富士ゼロックス社製「914」、ゼロックス社の特許網を破った独自技術による普通紙複写機として評価されたキヤノン社製「NP-1100」、国産技術による最初の間接乾式電子写真複写機として評価されたコニカ社製(現コニカミノルタ)「U-Bix480」の4機種。
同学会は、1958(昭和33)年に電子写真学会として発足。画像の基礎と応用に関する情報交流を行い、画像技術の進歩と発展を目指す技術者、研究者の集まりで、画像科学と技術、およびこれらに関する分野の情報を交換、吸収するさまざまな場を提供している。2010年に法人設立登記、一般社団法人日本画像学会となった。
学会では、今回の初めての複写機遺産認定に伴い、12月7日9時30分~16時30分に一橋講堂(千代田区一ツ橋2)学術総合センター内で、学会60周年記念シンポジウム「イメージング技術の未来展望」の中での複写機遺産認定式と複写機遺産認定記念講演を予定している。
東京工芸大学は、小西本店(コニカ)創始者、6代目杉浦六右衞門が他界した後、その理想と遺志を後継した7代目杉浦六右衞門が東京府豊多摩郡代々幡町幡ヶ谷(現東京都渋谷区幡ヶ谷)の地に設立した「小西写真専門学校」を前身とし、戦火で焼失したオリエンタル写真工業(現サイバーグラフィックス)跡地に開校、のちに「東京写真大学」となった。1977(昭和52)年に現在の名称に変わるまでは「写大」と呼ばれていた。