中野に本部のある「一葉式いけ花」(中野区中野4、TEL 03-3388-0141)の社中展が9月7日・8日の2日間、中野サンプラザ10階「白樺(しらかば)の間」「水仙の間」で開催される。
2019(平成31)年2月16日に急逝した3代目家元の粕谷明弘さんの後を受け継いだ4代目家元の粕谷尚弘さんの作品を中心に、同門下生約60人の生け花作品を展示する。9月8日には別部屋で、11時から蓮月絵さんと佐藤香秀さん、13時20分から中條愛香さん、14時10分から戸澤星葉さん、15時から中川悠光さんがそれぞれ「いけばなデモンストレーション」を行う。
4代目家元の尚弘さんは「日頃の自己研さんの発表の場とした花展、それぞれの思いで生けた花々を楽しんでほしい」と話す。尚弘さんは1980(昭和55)年、「一葉式いけ花」3代目の次男として東京、中野区で生まれ、幼少より家元に師事。大学卒業後の2004(平成16)年には渡米し、インダストリアルデザインを学ぶ。流派内外の花展などに作品を発表し、個展や他の分野の作家とのコラボレーションなど積極的に取り組む。海外への生け花の普及にも力を入れ、ニューヨーク・メトロポリタン美術館でのデモンストレーションなど、アメリカ、中国、フランス、インド、オーストラリア、南アフリカ、ウクライナ、シンガポールなどでも活躍する。
開催時間は、7日=12時~19時30分、8日=10時30分~17時30分。観覧無料。
「一葉式いけ花」は、1937(昭和12)年3月に初代家元の故・粕谷一葉さんが主宰する「紅遊会」と舞台挿し花を確立した粕谷明光の主宰する「東花会」とが合体し、「一葉式花道」を創流。第2次世界大戦中、閉校を余儀無くされたが、戦後すぐに明光さんが復員し、1947(昭和22)年に家元を継承し、「一葉式いけ花」と改名した。海外に数多くの支部を展開。「自分との“間”を意識して“植物”や花材の持つ良さや表情を捉えて花をいける」といった理念を基に、クリエーティブな竹の作品や、花材同士を花留めにした水盤での投げ入れ手法(剣山等の留め道具なしでの盛り花)を先駆けて行うなど、斬新でユニークなアイデアを発信し続けている。