酒井直人中野区長は令和4年第1回中野区議会定例会が開会した2月10日、議場で所信表明を行った。
(関連フォト)2月3日に開催された定例記者会見での酒井直人中野区長
初めに、猛威を振るっている新型コロナウイルスオミクロン株について触れ、ワクチン3回目接種を前倒しして迅速に進める一方、刻々と変わる感染の状況や国の方針に対し、専門的知見に基づき適切に、また柔軟に対応し、区民の命や生活を守っていくことに全力を尽くすと話した。
区長に就任してからの4年間の振り返りでは、「区民との対話」を徹底すること、「現場主義で政策を立案し実行すること」を前提とし、区の情報発信力向上には特に力を入れて取り組んできた。「新型コロナウイルス感染症への対応」「中野区基本構想の改定と新たな中野区基本計画の策定」「子育て先進区の実現に向けた主な取り組み」「安心して地域で暮らし続けるまちの実現に向けた主な取り組み」「区民と共に進めたまちづくり」「区民と向き合う区役所へ転換」の6つの取り組みを、実績を挙げながら振り返った。
10年後に目指すまちの姿を示した「中野区基本構想」について触れ、基本計画で定めた3つの重点プロジェクトを今後の区政運営の3本の柱として進めていくと話した。第1の柱は「子どもや子育て家庭に対するセーフティーネットを強化」「子育て・子育ち環境の質を向上」「地域全体で子育てを応援するための体制づくり」などを軸とした「子育て先進区の実現に向けて」。第2の柱は「区民の多様な課題を受け止め、解決につなげる体制づくり」「社会とのつながりの中で一人一人に寄り添った支援」「全ての人に居場所があり、無理なく見守り支え合う地域づくり」を軸とした「地域包括ケア体制の確立に向けて」。第3の柱は「地域経済の回復とまちのブランディングによる産業の活性化」「活力の再生と創出に向けたまちづくり」「脱炭素社会の実現を見据えたまちづくり」を軸とした「活力ある持続可能なまちの実現に向けて」。この3つの柱の実現に向けて、「構造改革の推進、中野区版DXの推進」「情報発信力の強化と広聴機能の充実、危機管理力の向上」「職員の育成・多様な人材の確保」に取り組むと話した。
令和4年度予算案は、一般会計は1,579億3,500万円、特別会計は644億7,600万円、予算総額は2,224億1,100万円。新型コロナウイルス感染症との闘いを乗り越え、活動を力強く再開し、未来へつなげる予算とするため、新型コロナウイルス感染症対策とさまざまな活動の支援策、中野区基本計画で掲げる重点プロジェクト、中野区区有施設整備計画に基づく施設整備、中野区構造改革実行プログラムに基づく取り組み、新庁舎移転を見据えた業務改善などを重点項目として編成している。
最後に、基本計画に基づき、一つ一つの取り組みを着実に実施し、区政を粘り強く進めていく。そして、さらなる歩みとして、多様性を尊重し、さまざまに意見を交わしながら、区民、事業者・団体と区が協働・協創し、「チーム中野」で区政を運営していく。さらに、それがイノベーションにつながっていく。これが「ナカノスタイル」。新型コロナウイルス感染症をはじめ、先行きの見通しが立たないことや状況が変わることが今の社会ではいわゆる普通の感覚として捉えられている。この変化に柔軟に、また「スピード感を持った対応」ではなく「スピーディーな対応」を行っていくと締めくくった。
「区長の任期は6月で終了するが、引き続き区政という重責を担うことに全力で臨む決意を新たにした。皆さまの判断を仰ぎたい」と、次期区長選挙に立候補する意向も表明した。