栃木県益子町を拠点としている陶芸家・四海大(しかいだい)さんの個展「四海大陶展」が12月3日、中野ブロードウェイ(中野区中野5)3階の「Hidari Zingaro」で始まった。
(関連フォト)「Hidari Zingaro」外観と展示の様子
現代美術作家・村上隆さんの骨董屋「となりのトトや」として開催している同展。四海さんは1992(平成4)年生まれ、北九州市出身。地元の学校を卒業後、栃木県にある企業で自動車部品の設計に携わるが、2017(平成29)年に益子の窯業技術支援センター(栃木県)で陶芸を学び始め、2019年に独立。益子近辺で自ら採取した原土を使い、まき窯で作品を焼いている。
普段の四海さんは皿や鉢など、食卓に並ぶ器を中心に制作しているが、同展では茶わん(価格帯は1万円~3万円)、つぼ(価格帯は10万円台後半~30万円)を中心に展示販売している。
四海さんは「昨年益子のギャラリーで、陶芸家として初めての個展を開催した。食器ばかり作ってきたが、展示の目玉としてつぼに取り組んでみると楽しく、つぼは、まき窯による焼きの力強さを受け止めてくれることに気付いた。身近で採れた土と焼きの魅力をベストに引き出したものを見せしたいと、一つ一つの作品に集中できるつぼとわんの制作に取り組んだが、窯だきの度にいくつも、焼きつぶし、焼き損じた中から生き残った熱量のある作品を見てもらえたら」と話す。
開催時間は12時~19時。水曜休廊。12月12日まで。同施設2階「Kaikai Zingaro」でも6作品を展示している。