見る・遊ぶ

中野で小池博史さん演出脚本の舞台「火の鳥」 「未来をどう生きるか」問う

9月13日に行われた「ロームシアター京都」公演の様子(樋口トモユキさん撮影)

9月13日に行われた「ロームシアター京都」公演の様子(樋口トモユキさん撮影)

  • 25

  •  

 空間演出家・小池博史さん演出・脚本・振り付け・構成の舞台「火の鳥 HINOTORI」公演が10月11日~14日の4日間、中野駅南口・千光前通り「なかのZERO」(中野区中野2)大ホールで開催される。主催はサイ(新井1)とNPO法人「ブリッジフォージアーツアンドエデュケーション」。

(関連フォト)9月13日に行われた「ロームシアター京都」公演の様子(樋口トモユキさん撮影)

[広告]

 小池さんは、茨城県日立市生まれ、一橋大学卒業。1982(昭和57)年、パフォーミングアーツグループ「パパ・タラフマラ」設立。以降全55作品の作・演出・振り付けを手がけ、2012(平成24)年5月解散。直後に「小池博史ブリッジプロジェクト」を立ち上げ、空間芸術と名乗りつつ、創造性を核に教育・発信・創作を3本柱とした連携プロジェクトを展開。演劇・舞踊・美術・音楽・時代・国境を横断した独自の表現を用い北南米、欧州、アジアの18カ国で創作、アフリカを除く42カ国で上演。2020年、初の映画監督作品「壊れた時間のバラタ」を制作。2021年8月には「なかのZERO」で「完全版マハーバーラタ~愛の章/嵐の章」を上演し話題となった。

 「火の鳥 山の神篇(へん)」「火の鳥 海の神篇」の2部構成となる同公演は、2022年からポーランド、マレーシア、ブラジル、インドネシアの世界4カ国で展開してきた「火の鳥プロジェクト」の集大成という位置づけで、「火の鳥 海の神篇」は小池さんの作品として100作目。日本をはじめ、ポーランド、マレーシア、ブラジル、インドネシアの俳優・ダンサー・音楽家たちとともに、世界各国が誇る名作や神話を着想源に「混沌(こんとん)」「戦争」「再生」という流れを物語として表現してきたという。今回の公演では「死」と「再生」の象徴である「火の鳥」伝説に想像力を重ね、現代社会に響く物語を立ち上げたという。

 「火の鳥 山の神篇」のあらすじは以下の通り。暴走する政権と大災害によって都市は崩壊。全てを失い、「もう一つの世界」に迷い込む人々。死者の舞、怪物、愛や裏切り…圧倒的な身体表現と音楽が渦巻く舞台に、やがて火の鳥が舞い降りる――。それは終わりの予感か、それとも新たな神話の始まりか。現実と幻想が交差する。

 「火の鳥 海の神篇」のあらすじは以下の通り。「死者の国」を越え、現実に戻った人々。だが、待っていたのはゆがんだ権力と壊れゆく社会。罪、欲望、亡霊、怪物、そして狂気の権力者…渦巻く混沌の中、火の鳥の警告が現実となる。「それでも生き抜くか?」――その選択が、未来への扉を開く…。

 小池さんは「舞台上では、音楽・映像・光・影・身体表現が交錯し、言語を超えて見る者の感覚を揺さぶる。4年にわたる国際共同制作の果てに生まれる、創作活動の結晶がいよいよ始まる。『火の鳥』の『山の神篇』『海の神篇』は前編・後編のような作品。京都では『山の神篇』だけだったが、公演後の客席は沸き返っていて、ロビーのごった返し状態もなかなか収まらなかった。東京公演では、ぜひ両方ご覧いただきたい」と話す。

 開催日時は、10月11日13時~「山の神篇」、12日13時~「山の神篇」、同日18時~「海の神篇」、13日13時~「山の神篇」、同日18時~「海の神篇」、14日14時~「海の神篇」。単独(「山の神篇」または「海の神篇」のどちらか)チケットは、S席=1万円、A席=7,000円、B席=4,500円で、各席種より2,000円引きするこども割(3歳~小学生)や、各席種より500円引きする中野区民割、割引のある「山の神篇」「海の神篇」のセット券なども用意する。チケットは、なかのZEROチケットセンター(TEL 03-3382-9990)などで購入できる。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース