食べる 暮らす・働く 学ぶ・知る

東中野で日仏合作ドキュメンタリー「千年の一滴 だし しょうゆ」-正月は振る舞い酒も

「千年の一滴 だし しょうゆ」(c)プロダクション・エイシア/NHK

「千年の一滴 だし しょうゆ」(c)プロダクション・エイシア/NHK

  • 0

  •  

 東中野の映画館「ポレポレ東中野」(中野区東中野4)で2015年1月2日から、日本・フランスの国際共同制作ドキュメンタリー「千年の一滴 だし しょうゆ」を上映する。

日本人が千年かけて創り出した麹カビを伝えるワンシーン (c)プロダクション・エイシア/NHK

[広告]

 同映画は、ドキュメンタリー映像作家である柴田昌平監督の新作で、「料理の映画」ではなく、日本人が雄大な自然やミクロの自然(カビたち)と「千年」に渡りどう向き合ってきたのかを追って、日本人と自然との関係を食を切り口に見つめるドキュメンタリー。第1章は「だし:大自然のエッセンス」、第2章は「しょうゆ:ミクロの世界との対話」の2章構成となっている。

 第1章「だし:大自然のエッセンス」では、日本仏教の肉食禁止思想のもと、肉に代わる「うまみ」を探し求めた人々がおよそ千年かけて、雄大な自然から見つけたという、日本の味の基本「だし」について。最新の食品科学は「だし」が健康によく、理にかなっていることを明らかにしている。漁師・農家・禅寺・料亭・科学者など、「だし」をめぐる人々の営みを追い、大自然から「うまみ」のエッセンスを取り出してきた日本人の知恵を描いている。

 第2章「しょうゆ:ミクロの世界との対話」では、和食の「うまみ」がつまった調味料(しょうゆ・さけ・みりん・みそ)が、1種類のカビ「?(こうじ)カビ」によって作られていることに焦点を当て、特撮を駆使したミクロの映像で、千年にわたって磨かれた職人たちの知恵と、麹カビによる和食創世のドラマを浮かび上がらせている。

 上映時のゲストトークも決定していて、1月2日12時50分の回には加藤宏幸さん(本作出演者、祇園(ぎおん)の料亭「川上」主人)、同日15時の回には柴田監督、3日12時50分の回には北本勝ひこさん(本作出演者、麹菌の専門家)、同日15時の回には柴田監督と小倉ヒラクさん(「こうじのうた」作者、発酵デザイナー)、4日12時50分の回には加藤さん、同日15時の回には柴田監督、10日12時50分の回には吹田勝良さん(築地・昆布問屋「吹田商店」店主)、同日19時30分の回には長谷川清美さん(「べにや長谷川商店の豆料理」著者)、11日12時50分の回には秋山久美子さん(築地・鰹節問屋「秋山商店」女将。鰹節削りの実演・味見)、1月17日15時の英語ナレーション上映の回にはYuka Togamiさん(Teacher of Japanese Cuisine for Foreigners)の予定。2日~4日 初回上映時は「振る舞い酒」企画も。

 柴田監督は「お正月のこの時期に、自らの食生活についてあらためて見直す機会になれば良いと思っている。この映画は、大げさにいえば『和食とは何か』、 その根本にせまった作品。でも映像は美しく、上品なおせちを食べるような感覚で楽しめると思う」と話した。

 柴田監督は1963(昭和38)年生まれ。東大卒業後、1988年NHK入局、沖縄放送局および報道局特報部に勤務し、1992年民族文化映像研究所に入所、日本の山村の生活や文化を映像で記録する基礎を学び1995年に独立し、映像製作会社プロダクション・エイシア社長。日本の地域社会、沖縄、アジアに目を向けた映像作品制作を中心に活動している。

 上映は12時50分~、15時~、19時30分~。料金は、当日一般1,700円、シニア1,200円、大学生・専門学生1,300円、高校生以下1,000円、カップル(2人で鑑賞)2,200円。上映期間中、土曜15時の回には英語ナレーション(日本語字幕つき)版を上映する。1日3回上映は1月31日まで(以降の上映期間は未定)。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース